30年開業の新「大阪マルビル」は円筒形を継承、192mタワーを大和ハウスが開発
奥山 晃平
日経クロステック/日経アーキテクチュア
30年開業の新「大阪マルビル」は円筒形を継承、192mタワーを大和ハウスが開発 | 日経クロステック(xTECH)
大阪・梅田のランドマークとして長年親しまれてきた、
大和ハウスグループの
超高層ビル「大阪マルビル」
の建て替えプロジェクトが本格的に始動する。
事業者の大和ハウス工業は
2024年11月19日に記者発表会を開き、
建物の完成イメージと
内観イメージを公開した。
30年の開業を目指す。
新しい「大阪マルビル」の完成イメージ(出所:大和ハウス工業)
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旧マルビルが竣工したのは1976年だ。
高さは124mで、
円筒形の形状が最大の特徴だった。
竣工当時、
梅田周辺には高いビルがなく、
ユニークな形も相まって
大きな存在感を放っていた。
竣工から50年近くが過ぎた2022年5月、
大和ハウス工業と
大阪マルビル(大阪市)は
建物や設備の老朽化などを理由に建て替えを発表した。
今回明らかになった建て替え計画によると、
建物のデザインコンセプトは
「都市再生のシンボルツリー」である。
建物全体を1つの大きな木に見立てる。
新マルビルは円筒形のデザインを引き継ぎつつ、
高さは約192mとする。
旧マルビルより70m近く高くなる。
緑化するルーバーを設けた低層部の上に、
ガラスのカーテンウオールに包まれた
3つの円筒を階段状に積み重ねたような形になる。
地上には木陰をイメージさせる半屋外のピロティを設ける。
建て替え前の大阪マルビル(左)と、建て替え後の新マルビルの比較イメージ。円筒形は継承しつつ、より高層にする(出所:大和ハウス工業)
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「あの場所に『マル』がないと梅田が収まらないと感じた」。
記者発表会で大和ハウス工業の芳井敬一社長は
円筒形を引き継ぐ意図をこう説明した。
建て替えプロジェクトについて説明する、大和ハウス工業の芳井敬一社長(写真:日経クロステック)
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旧マルビルの象徴だった電光掲示板も
新マルビルで継承する計画だ。
「回る電光掲示板」の愛称で親しまれ、
天気予報や
時刻、
気温などの
情報を街に発信していた。
新マルビルの頂部に設置する電光掲示板は、
大阪駅周辺からも視認できるようになる。
新マルビルに設置する電光掲示板のイメージ(出所:大和ハウス工業)
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新マルビルは地下4階・地上40階建てを予定する。
敷地面積は約3246m2、
延べ面積は約7万4000m2。
設計は日建設計・フジタ設計JV(共同企業体)、
施工はフジタが担当する。
旧マルビルを設計・施工したのもフジタ(旧フジタ工業)であり、
現在は大和ハウスグループの一員だ。
新マルビルの模型(写真:日経クロステック)
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構造は地上部が鉄骨造、
地下部が鉄骨鉄筋コンクリート造、
一部鉄骨造、
鉄筋コンクリート造。
工期は25年冬から30年までを予定している