三井住友建設が25年3月期再び営業赤字に、麻布台ヒルズ関連で131億円追加損失

星野 拓美

 

日経クロステック/日経アーキテクチュア

 

 

三井住友建設が25年3月期再び営業赤字に、麻布台ヒルズ関連で131億円追加損失 | 日経クロステック(xTECH)

 

 

 

三井住友建設が2025年3月期単体決算で再び営業赤字に陥る見通しだ。同社は営業損益が40億円の赤字になる見通しだと24年11月12日に発表した。24年5月に発表した期初予想から110億円の下方修正となる。同社は23年3月期決算まで2期連続で営業赤字だったが、24年3月期は営業利益33億円と黒字回復していた。

 同社は営業増益予想から一転、大幅減益予想に修正した理由として、ある国内大型建築工事で131億円の損失を計上したことを挙げる。同社は明言を避けているが、麻布台ヒルズの超高層マンション工事のことだ。25年3月期の建築の完成工事総利益率(粗利率)の予想はマイナス2.2%となり、前期のマイナス1.1%からさらに落ち込む見通しだ。

三井住友建設の25年3月期決算(単体)の通期業績予想。今回発表した修正予想で売上高の見通しは期初予想(5月発表)を据え置き、3103億円とした(出所:三井住友建設の資料を基に日経クロステックが作成)

三井住友建設の25年3月期決算(単体)の通期業績予想。今回発表した修正予想で売上高の見通しは期初予想(5月発表)を据え置き、3103億円とした(出所:三井住友建設の資料を基に日経クロステックが作成)

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三井住友建設の建築の完成工事総利益率(粗利率)の推移(出所:三井住友建設の決算短信などを基に日経クロステックが作成)

三井住友建設の建築の完成工事総利益率(粗利率)の推移(出所:三井住友建設の決算短信などを基に日経クロステックが作成)

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 同社は「発注者にも都合がある」(三井住友建設広報室)として、

損失を計上した建築工事の名称を明らかにしていない。

 

 

ただし、業績予想の修正に関する説明資料の中で、

 

「地上64階、高さ約260m 日本一の高さを誇るタワーマンション」を

写真付きで掲載している。

 

 

この建築工事とは、

 

東京都港区で施工している

 

麻布台ヒルズレジデンスB

 

と見て間違いない。

 

 同社がこの建築工事において損失を計上するのは4期連続。

 

これまで

 

22年3月期に約219億円、

 

 

23年3月期に約315億円、

 

 

24年3月期に約92億円を計上し、

 

 

そして25年3月期に約131億円を追加計上した。

 

 

累計額は約757億円に上る。

 

 

三井住友建設が東京都内で進めている地上64階建て、高さ約260mの建築工事の現場(写真:日経クロステック)

三井住友建設が東京都内で進めている地上64階建て、高さ約260mの建築工事の現場(写真:日経クロステック

 

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