建設中に盛り土崩壊の笠岡バイパス開通延期、地盤を再改良

青野 昌行

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

建設中に盛り土崩壊の笠岡バイパス開通延期、地盤を再改良 | 日経クロステック(xTECH)

 

 

岡山県笠岡市で建設が進む国道2号笠岡バイパスの盛り土が崩壊した事故を受け、崩壊箇所を含む区間の2025年度内の開通が遅れる見通しとなった。開通時期は未定。さらに同バイパスの東に接続する玉島・笠岡道路(II期)も、工事の難航で開通予定を25年度から26年度へと延期した。国土交通省岡山国道事務所が24年11月11日に発表した。

2024年1月に崩壊した笠岡バイパスの盛り土(出所:国土交通省岡山国道事務所)

2024年1月に崩壊した笠岡バイパスの盛り土(出所:国土交通省岡山国道事務所)

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 笠岡バイパスは笠岡西インターチェンジ(IC)―笠岡東IC間(延長7.6㎞)、玉島・笠岡道路(II期)は笠岡東IC―浅口金光IC間(同9.4㎞)に建設する自動車専用道路だ。

 

 

 

 

笠岡バイパスと玉島・笠岡道路(II期)の開通予定(出所:国土交通省岡山国道事務所)

笠岡バイパスと玉島・笠岡道路(II期)の開通予定(出所:国土交通省岡山国道事務所)

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 笠岡バイパスでは24年1月、新笠岡港西IC付近に造成した盛り土で幅約40m、延長約100mにわたって変状が生じた。この事故を受け、岡山国道事務所は有識者などでつくる対策検討会(会長:西山哲・岡山大学学術研究院教授)を設置し、原因究明と対策工法の検討を進めてきた。

 

 

 

崩壊した笠岡バイパスの盛り土。左の写真は、盛り土の変状によって生じた高さ約1.5mの段差。右は、盛り土の法面が押し出されて生じた開口亀裂(写真:国土交通省岡山国道事務所)

崩壊した笠岡バイパスの盛り土。左の写真は、盛り土の変状によって生じた高さ約1.5mの段差。右は、盛り土の法面が押し出されて生じた開口亀裂(写真:国土交通省岡山国道事務所)

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 崩壊した盛り土は、供用中の側道の既設盛り土と排水路に挟まれた場所に位置する。盛り土の下の地盤では既設盛り土側をドレーンで、排水路側を深層混合処理工法で改良していた。しかし、排水路の下に分布する沖積粘性土層の地盤が想定よりも軟弱だったため、改良体が盛り土の土圧によって排水路側へ傾くように変形したと見られる。

 現在、崩壊した盛り土は撤去している。今後、ドレーン部を含めて既存の改良体の下まで深層混合処理工法で再改良した上で、盛り土を再び施工する。

 

 

 

 

 

盛り土が崩壊した箇所で実施する対策工法の概要(出所:国土交通省岡山国道事務所)

盛り土が崩壊した箇所で実施する対策工法の概要(出所:国土交通省岡山国道事務所)

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2024/07/17