チキンカツ・カレーうどん」に

 

「ヴィ―ガン・クリーミーうどん」

 

ヒットメニューが生まれた背景

ロンドンの丸亀製麺で人気の

 

「チキンカツうどん」はこうして生まれた

 

 

 

クーリエ・ジャポン

 

Text by Takaya Awata

 

 

 

ロンドンの丸亀製麺で人気の「チキンカツうどん」はこうして生まれた | クーリエ・ジャポン

 

 

ローカライズは現地のスタッフの意見を反映しています。やはり文化や生活習慣が違う異邦人の我々がどんなに頭で考えても、現地の感覚とずれてしまう。新商品の開発も日本の丸亀製麺の商品開発担当者が現地に行ってアドバイスはしますが、基本的には現地スタッフの意見を採用します。

「店内製麺をやめて冷凍麺を使いたい」「だしをやめて全部コンソメベースにしたい」というような、あまりに丸亀製麺の方向性から外れる変更でなければ、現地の判断に任せるようにしています。間違っていたら、すぐにやり直せばいいのです。

よく売れるのは、現地の嗜好が反映されたメニューです。例えば、ロンドンの人気メニューは「チキンカツうどん」。これは、カレーうどんの上にチキンカツが載っているメニューです。イギリスでは日本式のカレーといえば、なぜかチキンカツカレー。その人気を実感していた現地のスタッフが考えたオリジナルメニューです。これは現地の感覚がうまく生かされた例だと思います

 

 

 

丸亀製麺・ロンドン店で提供される人気ローカルメニュー・チキンカツうどん


他にもヴィーガンのニーズをくみ取って開発された「クリーミーヴィーガンうどん」が定番メニューとして親しまれており、季節限定メニューでは芽キャベツのてんぷらなども人気があります。

イギリスでは「wagamama(ワガママ)」という日本食をベースにしたアジア料理のチェーン店が人気で、イギリス全体で約150店舗を展開しています。チキンカツカレーブームもこの店から起こり、今ではイギリスの国民食といってもいいくらいの地位を築いているのです。

そんなワガママは、現地の日本人に「こんなの日本食ではない」「口に合わない」と不評なことが多い。つまり、ワガママがターゲットにしているのは、イギリスに住む日本人ではなく、イギリスに住むイギリス人を始めとした多種多様な国の人だということです。

これは、とても正しい戦略だと思います。日本人にとっておいしいかどうかよりも、現地の人々に愛されることが大事。そうでないと、店の運営は成り立たないからです