泣きながら「自分は見ていただけ」江別男子大学生“集団暴行死”事件から1週間、暴行しながら聞き出した暗証番号で十数万円引き出しか 逮捕された女子大生らの供述や証言からたどる事件の闇

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中学時代の川村葉音容疑者(左)と八木原亜麻容疑者(右)

 

 

 

 

 

北海道江別市で、大学生の長谷知哉さん20歳が集団で暴行を受けて死亡した事件は、2日で1週間が経ちました。傷害致死の容疑などで逮捕されたのは、女子大学生、八木原亜麻(あま)容疑者20歳と川村葉音(はおと)容疑者20歳の2人。そして16歳と17歳の少年2人と18歳の男2人の合わせて6人です。長谷さんのキャッシュカードで、現金十数万円が引き出されていた疑いもあるこの事件。これまでの捜査や現場周辺の取材から、逮捕された6人の足取りや被害者との関係が明らかになってきました。 

 

 

 

 

 

画像で詳しく…容疑者らの供述や知人の証言からたどる事件の真相

 

 

 

 

◆衣服を身に着けていない状態で顔面などに打撲痕

事件現場(10月26日 北海道江別市)

 

 

 

 

 

26日早朝、千歳市の大学生、長谷知哉さん(20)は、

江別市の公園で衣服を身に着けていない状態で発見され、

その後死亡が確認されました。

 

長谷さんの顔面などには殴られた跡が複数あり、

死因は外傷性ショックでした。

 

 

 

 

死亡した長谷知哉さん(20)

 

 

 

 

この日、

長谷さんの交際相手の八木原亜麻容疑者(20)が警察に出頭。

 

その後、川村葉音容疑者(20)と

 

16歳から18歳の少年と男ら4人が

それぞれ出頭し、

30日までに全員逮捕されました。

 

6人は友人とみられています。

 

 

◆「1年後に別れたいって言われたら…」

高校時代の八木原容疑者

 

 

 

八木原容疑者は、長谷さんと地元が同じ釧路市で、

 

中学校の後輩で交際関係にありました。

 

これまでの取り調べに、

八木原容疑者は

「長谷さんと交際関係をめぐりトラブルになった」という

趣旨の供述をしていることがわかっています。

 

 

 

八木原亜麻容疑者(視聴者提供)

 

 

 

さらに八木原容疑者は、

事件前、知人にこう問いかけていました。 

 

「彼氏に1年後、別れたいって言われたら、あなただったらどうする?」

 

 捜査関係者によりますと、

八木原容疑者は長谷さんから、

就職活動を理由に交際する期限を示すような「別れ話」をされたということで、

警察は、事件の背景に別れ話のもつれがあったとみています。

 

 

 

◆暴行しながら暗証番号を聞き出し、

十数万円を引き出したか

 
 

JR大麻駅周辺(北海道江別市)

 

 

 

25日午後10時すぎ、

長谷さんは自宅がある千歳市からJRを乗り継ぎ、

 

江別市の八木原容疑者の自宅を訪れます。

 

その後、2人は公園に向かうと、

川村容疑者を含む5人と合流。

そして事件は起きました。

 

 

八木原容疑者を除く5人が乗ったとみられる軽乗用車(防犯カメラより)

 

 

 

6人は長谷さんに

暴行を加えた後、

長谷さんを放置し、

八木原容疑者を除く5人は、

川村容疑者の軽乗用車で札幌方向に向かいます。

 

 5人が乗ったとみられる軽乗用車は、

26日午前3時過ぎ、付近の防犯カメラに記録されていました。

さらに5人には、

長谷さんのキャッシュカードで現金を引き出した疑いも浮上しています

 

 

 

捜査関係者によりますと、

 

八木原容疑者を除く5人のうち数人は

「被害者のキャッシュカードで現金を引き出した」

 

「現金を分け合った」

という趣旨を供述。

 

札幌市内のコンビエンスストアの防犯カメラには、

ATM(現金自動預け払い機)で現金を引き出す様子が記録されていました。 

 

 

長谷さんに暴行を加えながら、

暗証番号を聞き出したとみられ、

引き出された額は十数万円に上るということです。

 

 

 

 

 

 

釧路市内で見つかった川村容疑者の軽乗用車

 

 

 

長谷さんのものとみられる衣服やリュックなどは、

札幌市内の川から見つかっていることもわかりました。

 

 逃走に使われた軽乗用車は、

川村容疑者の釧路市内の実家で見つかっていることから、

川村容疑者は、

事件後、札幌市内の警察に出頭するまで

釧路市に滞在していたとみられています。

 

 

 

◆泣きながら「自分はただ見ていただけ」

川村容疑者(左)と八木原容疑者(右)

 

 

 

八木原容疑者と川村容疑者を知る釧路在住の友人は、

 

2人についてこう証言します。 

 

「亜麻(八木原容疑者)については、

 

どちらかというと彼氏と交際していてけんかになって、

電話した時にすごい怒ってるなって。

強い口調になっているなというのを見たりしていた」

 

 

 「(川村容疑者にについては)

友達に何かあったら許せないからって。

友達のためなら手を出しちゃうって感じで。

やれるだけやっちゃう、

 

葉音(川村容疑者)はそういうタイプ」 

 

 

捜査関係者によりますと、

川村容疑者は長谷さんに

「八木原に対し、謝ってもらおうと思っていた」という

内容の供述をしているということです。

 

 

 

 

川村葉音容疑者

 

 

また川村容疑者は、

逮捕される前に、

友人の母親に次のようなことを打ち明けていたといいます。 

 

 

「(逮捕前に)泣きながらラインで電話がきたらしくて

『自分はあまり暴力を加えていなくてただ見ていただけ』みたいな」

 

 

 

 

◆「いつまでも明るく優しい人になれるよう頑張ります」

小学6年の八木原容疑者と文集

 

 

 

八木原容疑者は8年前、

小学校6年生の時に書いた小学校の文集で“20年後の自分”に手紙を宛てていました。

 

 

 「20年後の私は、何をしていますか?私は将来看護師になり、病気の人やけがをした人をやさしい気持ちで助けたいと思っています。いつまでも明るく優しい人になれるよう頑張ります」 八木原容疑者の中学時代の知人は「自分で誰かのことをいじめようとしていじめられるタイプじゃなくて、ちょっと隅でいる子みたいな、何も意見言えないタイプなんじゃないか」と当時の印象を振り返ります。 

 

「人を助けたい」と夢を語った少女に何があったのか…。

 

 

 警察は、

死亡した長谷さんと

 

16歳から18歳の少年を含む男4人が

面識があったのかどうかなど、

6人の動機や犯行に至った経緯を慎重に捜査しています

 

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