「高輪ゲートウェイシティ」

 

が25年3月27日開業へ、

 

駅直結ツインタワーの全貌

山﨑 颯汰
 

日経クロステック/日経アーキテクチュア

 

 

 

JR東日本は2024年10月30日、

東京・港の高輪ゲートウェイ駅周辺で開発を進めている

 

「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」

を25年3月27日にまちびらきすると発表した。

 

敷地面積は約7万4000m2

 

延べ面積は約84万5000m2

となる規模で、

 

総事業費に約6000億円を投じた。

 

国家戦略特別区域に認定されており、

JR東日本が単独で取り組む複合再開発としては初となる。

 

 

 

25年3月27日にまちびらきを予定する、TAKANAWA GATEWAY CITYの全体イメージ(出所:JR東日本)

25年3月27日にまちびらきを予定する、TAKANAWA GATEWAY CITYの全体イメージ(出所:JR東日本)

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 高輪ゲートウェイシティは5つの棟で構成する。

 

このうち、まちびらきのタイミングでは、

 

高輪ゲートウェイ駅直結となるツインタワー「THE LINKPILLAR 1」

の開業と

 

同駅の全面開業を予定している。

 

JR東日本では、

 

オフィスワーカーが約2万人、

 

街完成時点で駅の乗客数は1日当たり13万人以上になると推定する。

これは恵比寿駅と同規模になる見込みだという。

 

 

 

TAKANAWAをグローバル拠点へ

 JR東日本は、街の開発コンセプトに「Global Gateway」を掲げ、新たなビジネス・文化が生まれる国際交流拠点を目指して、開発を進めてきた。

 

 24年10月30日に開かれた会見でJR東日本の喜勢陽一社長は、

 

「コンベンション施設や高級ホテルなどの整備はもちろん、街の広場全体を活用した『街ごとMICE(国際会議や展示会)』が

開催可能な環境も整う」と話し、

「利便性の高さを生かして、国内外からの来客に滞在価値の高い空間を提供できるだろう」と開業に向けて意気込みを語った。

 

 

 

TAKANAWA GATEWAY CITYの概要を説明するJR東日本の喜勢陽一社長。2024年10月30日、都内で会見を開いた(写真:日経クロステック)

TAKANAWA GATEWAY CITYの概要を説明するJR東日本の喜勢陽一社長。2024年10月30日、都内で会見を開いた(写真:日経クロステック)

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24年10月30日の会見における説明資料。喜勢社長は会見の中で「高輪ゲートウェイ駅は羽田空港への利便性が高く、リニア中央新幹線の開業も見据えると、今後交通の結節点としての価値がさらに高まるだろう」と話した(写真:日経クロステック)

24年10月30日の会見における説明資料。

 

喜勢社長は会見の中で

 

「高輪ゲートウェイ駅は羽田空港への利便性が高く、

リニア中央新幹線の開業も見据えると、

今後交通の結節点としての価値がさらに高まるだろう」と話した(写真:日経クロステック)

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ツインタワーに大手企業の本社が移転

 THE LINKPILLAR 1は、

 

「NORTH棟」と

 

「SOUTH棟」

 

の2つに分かれ、

 

 

NORTH棟が地下3階・地上29階建て、

 

SOUTH棟は地下3階・地上30階建てだ。

 

THE LINKPILLAR 1の敷地面積は約3万8000m2で、延べ面積は約46万m2

 

設計はJR東日本建築設計を代表企業とする

品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)設計共同企業体

(JR東日本建築設計・JR東日本コンサルタンツ・日本設計・日建設計JV)、

施工は大林組が担当している。

 

 

 

THE LINKPILLAR 1の外観イメージ。左がSOUTH棟で、右がNORTH棟。中央手前が高輪ゲートウェイ駅(出所:JR東日本)

THE LINKPILLAR 1の外観イメージ。左がSOUTH棟で、右がNORTH棟。中央手前が高輪ゲートウェイ駅(出所:JR東日本)

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THE LINKPILLAR 1のNORTH棟の外観。写真は24年10月31日に撮影したもの(写真:日経クロステック)

THE LINKPILLAR 1のNORTH棟の外観。写真は24年10月31日に撮影したもの(写真:日経クロステック)

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 THE LINKPILLAR 1に

整備予定のオフィスには、

 

KDDIや

 

マルハニチロなどの

大手企業の本社機能が移転される計画だ。

 

加えて、国際会議の誘致が可能な大規模コンベンション・カンファレンス施設「TAKANAWA GATEWAY Convention Center」を整備。

 

およそ2000人を収容できる約1640m2のホールを核に、

全15室で構成するMICE施設とする。

 

TAKANAWA GATEWAY Convention Center内に整備するホールのイメージ。約2000人の収容が可能である(出所:JR東日本)

TAKANAWA GATEWAY Convention Center内に整備するホールのイメージ。約2000人の収容が可能である(出所:JR東日本)

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 SOUTH棟の地上1~5階、

NORTH棟の地上1~5・28・29階には、

 

ルミネが手掛ける商業施設「ニュウマン高輪」が入る。

 

約200のショップを整備する予定で、

まちびらきと合わせて一部先行開業を見込んでいる。

 

ルミネとしては最大規模の延べ面積約6万m2を誇り、

 

同じくニュウマンを設けた新宿や横浜ではスペースの制約から実現できなかった

「まだ見ぬ生活価値づくり」に向けた新しい取り組みを進めていく。

 

 

 

ニュウマン高輪のイメージ。延べ面積は約6万㎡で、ルミネとして国内最大規模となる予定だ(出所:JR東日本)

ニュウマン高輪のイメージ。延べ面積は約6万㎡で、ルミネとして国内最大規模となる予定だ(出所:JR東日本)

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 SOUTH棟の高層部には、

高級ホテル「JW マリオット・ホテル東京」の入居が決まっている。

約200室の客室を用意する計画で、

25年秋に開業予定。

ラグジュアリーブランド「JW マリオット」としては、首都圏初進出となる。

 

JW マリオット・ホテル東京の客室イメージ。THE LINKPILLAR 1のSOUTH棟高層部に、約200室の客室を用意する計画だ(出所:JR東日本)

JW マリオット・ホテル東京の客室イメージ。THE LINKPILLAR 1のSOUTH棟高層部に、約200室の客室を用意する計画だ(出所:JR東日本)

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 観光客に向けた施設も充実させる。

新たな旅をデザインする

「TAKANAWA GATEWAY Travel Service Center」を

THE LINKPILLAR 1内に設置。

 

チケットの手配だけでなく、

東日本エリアや高輪エリアの魅力をインタラクティブに体験できるコンテンツを大型のタッチサイネージで提供して

観光情報の発信拠点とする狙いだ。

 

また、公園部(国指定史跡)の再現や

地下回廊も整備。

回廊を展示空間としてナイトタイムエコノミーの醸成につなげる

 

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