1級土木施工の1次検定で受検者1.6倍、改正で19歳の「1級技士補」誕生

夏目 貴之

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

2024年度から受検資格が緩和された1級土木施工管理技術検定の第1次検定で、23年度比で約1.6倍となる5万1193人が受検したことが分かった。合格者数は1.4倍に増加して2万2705人に達し、2年ぶりに2万人の大台を超えた。新たに受検できるようになった19歳の合格者は75人だった。全国建設研修センターが24年8月15日に発表した。

 

 

 

 

1級土木施工管理技術検定の第1次検定における受検者数と合格者数、合格率の推移(出所:全国建設研修センターと国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成)

1級土木施工管理技術検定の第1次検定における受検者数と合格者数、合格率の推移(出所:全国建設研修センターと国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成)

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 1級土木施工管理技士は、一定規模以上の工事現場で監理技術者を務めるために必要な国家資格だ。国土交通大臣の指定機関として全国建設研修センターが、第1次検定と第2次検定の2段階で資格試験を実施している。

 第1次検定の合格者は「1級土木施工管理技士補(1級技士補)」、第2次検定の合格者は「1級土木施工管理技士」の資格をそれぞれ得られる。第1次検定に合格後、最長5年の実務経験を経れば第2次検定を受検可能だ。必要な年数は、担当する現場の規模や立場によって異なる。

 1級技士補が主任技術者の資格も得ると「監理技術者補佐」として経営事項審査の加点対象になる。監理技術者は、監理技術者補佐を専任で配置した一定の条件下の現場を兼任できる。

 24年度の受検資格の改正で学歴や実務経験の制約がなくなり、受検年度の年度末時点で19歳以上であれば誰でも第1次検定を受検できるようになった。

 

従来、

大学の土木工学科などの指定学科を卒業していれば実務経験3年以上、

高校の指定学科ならば10年以上が必要だった。

 

 

 

 

 

 

2024年度における1級土木施工管理技術検定の受検資格の改正内容。28年度までは改正前の受検資格も有効(出所:国土交通省)

2024年度における1級土木施工管理技術検定の受検資格の改正内容。28年度までは改正前の受検資格も有効(出所:国土交通省)

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 受検資格が前回改正された21年度以降は、

2級土木施工管理技術検定の

第2次検定の合格者も1級の第1次検定の受検資格を得られた。

 

その場合でも、

2級の第2次検定を受検するためには、

大学の指定学科の卒業後に1年以上などの実務経験が必要だった。

 

 24年度の第1次検定では、

合格者のうち19~24歳が3877人で

全体の17%を占めた。

前年度は6%にとどまっていた。

 

女性の合格者数は

過去10年で最多となる2902人。

大学などの在籍者の合格者も426人いた

 

1級土木施工の1次検定で受検者1.6倍、改正で19歳の「1級技士補」誕生 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)