米国がかけていたブレーキを“強制解除”、ウクライナ軍がロシアを越境攻撃した本当の狙い

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ウクライナ軍の越境攻撃によって制圧されたロシア領内クルスク州の町スジャ(2024年8月16日、写真:Ukrinform/アフロ)

 

 

 

 (数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)  ウクライナが、ロシア領内クルスク州に越境攻撃を開始してから2週間が経過しました。 

 

 

 

【地図】赤色の線は実際に戦闘が行われていた戦線、黄色はロシアが積極的な侵攻を行っていない戦線  

 

 

 

 

 

2022年のロシアによる全面侵攻開始時、北東方面からウクライナの首都キーウを目指したロシア軍はスーミ市を攻撃しました。そのスーミ市に近いロシア領内の町スジャを中心として、ウクライナ軍は徐々に支配領域を広げています。戦況は、今のところウクライナ軍にとって順調と言えそうです。

 

 

また、8月22日には、新たにブリャンスク州にも越境攻撃を開始したと報じられています。  

 

越境攻撃が開始された時点では主に東部でウクライナ軍の苦境が伝えられていたこともあり、越境を疑問視し、その意図が理解できないという声も多く聞かれました。しかし、軍事的には十分過ぎるほど妥当性があるため、筆者は昨年からその可能性を考えていました。  

 

根本的に戦略を変更するとしたら、ずいぶん前に、自分で言及しながらあえりないと書いた、ロシア領内侵攻制圧による被占領地との交換だろう 厳重に防御されているヘルソン南部や、東部を攻めるよりは、ベルゴロドなどをとる方が(軍事的には)容易 ただ、政治的には難しい 

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ゼレンシキー(ウクライナ語の表記を踏襲します)

大統領は、この越境攻撃の理由をスーミ州の防衛の観点から語っていますが、

これは多分に政治的な思惑があっての発言だと思われます。  

 

そこで、ウクライナ軍が行っている軍事行動を中心に、この越境攻撃の目的を探り、この戦争の展望を考えてみたいと思います。

 

 

 

 

■ 【目的1】支配領域拡大と領土交換 

 

 既にXのポストのように、昨年(2023年)、ウクライナ南部での反攻が実施された際にも、ベルゴロドなどロシア領内への越境攻撃を実施した方が軍事的には容易なため、筆者はそうした戦略にも言及していました。  実際、南部での反攻は、ロシア軍が強力な陣地を構築している地域に攻撃を行ったため、各国が供与した強力な機甲戦力がありながら頓挫しています。  

 

今回、ウクライナ軍にも少なくない被害があるとの情報がありますが、最初の3日間で塹壕陣地を突破した上で、スジャに迫り、以降はスジャを完全に支配下に収め、その周辺に徐々に支配領域を拡大しています。  

 

クルスク市や、市の西にある原発を奪取するなどの可能性も囁かれましたが、越境から4日目以降は、無理な攻撃は行わず、少数の歩兵による偵察に砲撃や長射程兵器によるピンポイント攻撃を組み合わせ、効率的な戦闘を行うことで支配領域を拡大しています。 

 

 この越境による支配領域の拡大は、やはり将来の交渉における領土交換を目指したものである可能性が高いでしょう。  

陣地化された土地を奪還することは困難ですが、陣地化が不十分で、低練度の徴集兵が守っていたクルスクの前線を突破することは比較的容易であったようです

 

 

 

 

【目的2】ロシア軍の補給阻害 

 ロシア軍の兵站は、道路も使用していますが、そのほとんどを鉄道輸送に負っています。しかし、ウクライナ軍がスジャを確保したことにより、ロシアは、クルスクからスジャを経由してベルゴロドに向かっていた鉄道輸送が不可能になりました。ベルゴロドには別方向からも鉄道が延びているため、完全に補給が途絶えたわけではありませんが、路線が単線であることを含め、ベルゴロドへの輸送力が相当に低下したことは間違いありません。 ロシアのクルスク、スジャ、ベルゴロドとウクライナのハルキウの位置関係  ベルゴロドの正面に当たるウクライナのハルキウには、砲撃や爆撃が続いていました。ウクライナ側が苦しめられていた上、この砲撃が再侵攻の準備である恐れもあり、警戒を続けていたのですが、ベルゴロドへの補給を阻害したこと、ウクライナ軍の支配領域拡大で、クルスクからベルゴロドに向かう道路が封鎖される可能性もあることから、ハルキウが再侵攻を受ける可能性は事実上消えたと言ってよいでしょう。  この観点では、スーミ以上に、ハルキウの安全を確保したという意味で、ゼレンシキー大統領の発言が正しかったとも言えます。  また、スジャの確保によって、この地域の鉄路での補給を阻害したことは、絶妙なタイミングでした。越境攻撃と時を同じくして、ロシアの鉄道副総裁セルゲイ・コブゼフが部下との会議で、ロシアの鉄道網が危機的な状況にあることを話す音声が流出しています。制裁による高精度のベアリングなどの不足が、いよいよロシアの鉄道を危機的な状況にしていたようです。  この流出自体は恐らくウクライナ諜報機関の関与があったものと思われ、その信ぴょう性には疑問を持たなければなりません。とはいえ、ロシア領内で頻繁に脱線などの鉄道事故が報告されているため、情報の妥当性は高いと言ってよいでしょう。  また、スジャ駅を確保したことにより、ウクライナはロシアの鉄道事情に関する詳細な資料を入手したとも言われています。真偽、詳細ともに不明ですが、ドローン攻撃やロシア内のレジスタンス支援を通じて、さらなる鉄道輸送への攻撃を意図している可能性も考えられます。これによってロシア国民の不満を醸成する狙いもありそうです

 

 

 

 

 

【目的3】捕虜確保による交換  

越境攻撃開始から4日目以降、ウクライナ軍の進撃速度が低下した際、大量のロシア兵投降者が、ウクライナ軍の負担となっている可能性が指摘されました。

拘束した上で食料などを与えなければならないためです。  

ウクライナ軍は、捕虜を確保するよりも、支配領域を広げることを重視するのではないかと思われましたが、現在、スジャから北方に進出したウクライナ軍は、その左翼と国境線およびセイム川で大量のロシア兵を包囲しました。  

セイム川にかかる橋の一部を残し、彼らが逃走しようとする際に効率的に攻撃する可能性も考えられましたが、全ての橋を攻撃し、ロシア軍が架けた仮設橋も攻撃し、完全包囲を図っています。

近いうちに、大量の投降者を確保することになるでしょう。  ウクライナ人捕虜や、ロシアに連れ去られた子供を含めた民間人との交換を意図しているものと思われます。

 

 

  Ukraine is confirmed to have destroyed the 3rd and final bridge across the Seym River connecting Russian forces to the Glushkovsky District, Kursk Russia can no longer bring supplies or equipment into or out of ~640km2, roughly the area Russia took in the past year in Ukraine pic.twitter.com/4VHt8MmN7i ― Ukraine Battle Map (@ukraine_map) August 19, 2024

 

 

 

 

■ 【目的4】戦力の誘引と内線作戦の利 

 

 ウクライナ軍の越境に対応するため、ロシア軍はウクライナ東部や南部の前線から部隊を引き抜き、クルスクに移動させています。

東部での戦闘では、ウクライナ軍の苦境が伝えられていたため、これらの地域では、多少なりとも戦力バランスが好転するでしょう。  

しかも、この誘引で、ウクライナ軍は「内線作戦」の利を活かそうとしています。

 

「内線作戦」および「外線作戦」は、軍事における相反した概念で、部隊配置としては包囲、あるいは半包囲状態の場合に当てはめることが可能な概念です。  

 

ロシアによるウクライナ侵略では、ウクライナを国ごと半包囲する形のロシア軍が外線作戦、ウクライナが内線作戦となります。

 

包囲することで、外線作戦を採るロシア軍は、ウクライナが西側を除くほぼ全方位の脅威に備えなければならない状態とし、ウクライナ軍を苦しめています。  

しかし、内線作戦を戦うウクライナは、戦力の移動が容易です。

それによって防御の薄い場所を攻撃したり、戦力を集中させることで局地的な優位を作り出し、各個撃破を図ることができます。  

 

今回の越境は、まさにこれでした。スーミの前面に展開していたロシア軍は、まだ未成年さえ含まれる徴集兵が大半で、ウクライナ軍は部隊をスーミに機動、集中させ、塹壕陣地を突破して支配領域を拡大しています。 

 

 ロシア軍は、クルスク州に戦力を集めようとしていますが、ウクライナ南部に展開している部隊であれば、1000km以上もの距離を移動しなければクルスクにはたどり着けません。

しかも、前述の鉄道網が麻痺寸前の状況で越境攻撃が実施されたため、移動に時間を要しています。結果的に、ロシア軍は5000人程度の兵力しかクルスクに集められずにいるようです。移動中の部隊は、いわゆる遊兵で、クルスクにたどり着くまでは、一時的に戦力が減少していることになります。  

そして、戦力集中に苦慮するロシア軍は、クルスク州で支配領域を広げるウクライナ軍に対して、到着した部隊から対応させざるを得ず、いわゆる戦力の逐次投入を余儀なくされています。  ウクライナ軍は、この逐次投入された部隊を、前述のように少数歩兵の偵察と長射程兵器によって攻撃しています

 

 

 

【目的5】戦線の拡大による局地的な戦力バランスの改善 

 

 上で述べた誘引を、戦略レベルで見ると、少し違った見方ができます。今回の作戦を指導したシルスキー総司令官としては、戦線の拡大による局地的な戦力バランスの改善が最も大きな狙いだったのではないかと思われますが、この点を指摘する声はなぜかほとんど聞かれません。  

 

2022年2月に全面侵攻が始まった際、ロシアはウクライナと接する全ての戦線から侵攻しました。一部はベラルーシからの攻撃もあったほどです。

 

しかし、ウクライナ北部などで大きな損害を被ったことから、ロシア軍は4月には戦線を縮小しました。以後、2014年から占領を継続しているドネツク、ルハンシクに加え、ドニエプル川の南東側となる南部ヘルソン州などが実質的な戦線となっています。  

越境攻撃が行われる以前のウクライナとロシアの間に横たわる戦線を大まかに図示すると、次のようになります。  

 

 

ロシアの州で言えば、今回越境を受けたクルスク州、その南東にあたるベルゴロド州と北西にあたるブリャンスク州は、このロシア軍の作戦変更により、ロシアとウクライナが国境を接しながら、砲撃、ミサイル攻撃は行われているものの、地上戦力での戦闘が行われていない地域となりました。  

 

 

アメリカが、ウクライナにロシア領内への越境を禁じていたため、この地域は、ロシア人によって編成されたウクライナ側の部隊である自由ロシア軍が少数で攪乱と思われる越境を行う以外、大規模な地上戦は行われないエリアとなっていたのです。

 

 

 

  ロシアがキーウに向けて再侵攻を行う可能性は何度も指摘され、ウクライナはある程度の対応戦力を割いて、クルスク、ベルゴロド、ブリャンスクを含めた全戦線の防衛をしなければなりませんでした。  

 

しかしウクライナは越境攻撃ができなかったため、ロシアは戦力をドネツク、ルハンシク、南部ヘルソンに集中させることができました。今回の越境で明らかになったように、ロシア軍はクルスク、ベルゴロド、ブリャンスクなどには、まだ兵と呼ぶには未熟すぎる徴集兵を配置していただけで、その数も少なかったと見られています。

 

  ウクライナは全戦線への兵力配備という点で、アメリカの意向により、不利な状況を強いられ続けたことになります。

しかし今回、越境攻撃をアメリカが追認したことにより、ロシア側もクルスクはもとより、ベルゴロドやブリャンスクにも、ある程度の防衛戦力を配置せざるを得なくなります。なお、8月22日に入り、そのブリャンスク州にも越境攻撃が開始された模様です。

 

 

「レッドラインだ」との発言によって政治的にアメリカを抑止し、達成した、ロシアのウクライナ東部、南部への戦力集中を阻害したことになります。  

 

 

しかも、ロシア側への越境であるため、ウクライナの国土自体が脅かされるわけではありません。  現在の戦線を大まかに図示すると、このように変わりました。  冒頭で書いた通り、越境開始直後は、東部の苦境が伝えられていたため、今回の越境攻撃に対し、越境を行うくらいなら、その戦力を東部に投入すべきだとの意見も多く聞かれました。しかし、それでは、ウクライナだけが広範な防衛態勢を構築させられている構図を維持することになってしまいます。  

 

 

ただし、長い戦線で戦うと、当然それぞれの地点で戦力が薄い状態となるためリスキーではあります。  さらに言えば、ウクライナの置かれた実情は、この簡略化された戦線図よりも厳しいものです。  

 

べラルーシは、直接参戦こそしていませんが、2022年の全面侵攻時にはロシア軍を通過させていますし、ロシア軍によるベラルーシ領内からのミサイル攻撃も許しています。 

 

 2022年4月にロシア軍が戦線を縮小した以後は、ベラルーシからの脅威も低下していますが、現在も一部のロシア軍が駐留していると見られ、ウクライナ側としてはある程度の備えが必要になっています。 

 

ウクライナ、ベラルーシ、モルドバの位置関係  トランスニストリアは、モルドバの一部地域ですが、1992年のトランスニストリア戦争以後、沿ドニエストル共和国を名乗っており、2022年10月にロシアが併合宣言するまで存在していたドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国と同様に、事実上のロシア領です。  

 

 

トランスニストリアは、黒海へのアクセスにもドニエストル川を通行しなければならないため、2022年以降もロシアは駐留兵力の大幅な増強をできずにいますが、現在もロシア軍が駐留しています。そのため、ウクライナはこの方面にも備えが必要なのです。  

 

ベラルーシ、トランスニストリア方面も含めた戦線図を図示するとこうなります。  このため、クルスクへの越境攻撃が行われてからは、以前から耳にすることのあった、

 

このトランスニストリアへ侵攻するという噂がにわかに活気づいています。  

モルドバとの共同作戦、あるいは侵攻後にトランスニストリアをモルドバに明け渡すなどの措置をとれば、ウクライナは南西方面の後背を脅かされる可能性がなくなり、残された戦線に兵力を集中させることができるようになります

 

 

 

 

 

【目的6】アメリカによる制約の解除

  既に述べたように、エスカレーションを恐れるアメリカは、ウクライナに越境攻撃を行わないよう圧力をかけていました。また、アメリカ製兵器、特に長射程兵器のロシア領内への使用にも制限をかけています。  

 

今回、ウクライナはアメリカに対しても事前通告することなしに越境攻撃を実施しました。そのため、攻撃の直後には、アメリカ政府内にはかなりの動揺が走ったようです。  

 

ですが、越境攻撃の経過が順調なこと、ロシアがレッドラインだとしていたロシア領内への越境攻撃後も、ロシアが強硬な姿勢をとることができずにいることもあってか、越境攻撃自体だけでなく、装甲車両などのアメリカ製兵器をロシア領内で使用することを認めています。

 

 

8月21日には

 

ATACMS

 

HIMARS

 

使用も確認されているため、

 

 

一部長射程兵器の使用に関しても制限が解除されている模様です。  

 

 

ウクライナは、アメリカが課した制約を、あえて犯すことで、その解除をもぎ取った形です。 

 

 越境を追認しなければ、ウクライナ支援に積極的なヨーロッパの国から非難を受ける上、バイデン大統領としては、現在進行中の大統領選挙において、彼の後継者と言えるカマラ・ハリス氏への支持に悪影響が出るとの判断だったと思われます。  ウクライナとしては、越境作戦が順調に推移しさえすれば、バイデン大統領も追認せざるを得ないと分析した上での作戦決行だったのでしょう。

 

 

 

 

■ 【目的7】講和論に対する牽制

 

  戦闘が膠着し長期化していることで、まだ少数ながら、ウクライナ内でも講和すべきとする意見が増えています。  

 

ウクライナを支援する各国では、ウクライナ国内以上に、ウクライナは領土の割譲を認めて講和すべきとする意見が増えています。特に、アメリカ大統領選挙後には、アメリカが講和を主導する可能性も懸念されていました。  

 

この領土割譲、講和論を牽制するために、ウクライナが越境攻撃を行ったとする見方も強くあります。  

 

事実、越境作戦が行われた以後、こうした講和論はなりを潜めています。講和論は「ウクライナを支持するものの、勝てないのなら講和致し方なし」というものだからです。勝てる、あるいは、再び膠着するものの領土交換できる可能性があるなら、侵略者がロシアであることは明らかな以上、講和を迫るわけにはいかないということです。  

 

この背景には、ロシアが自国領土内への侵攻をレッドラインだと言ってきたことから、越境が即座にエスカレーションにつながる、との見方があったと思われます。  しかし、ロシアがことさらレッドラインだと発言する理由は、ロシア、もっと言うならプーチンが何としてもそれを避けたいと考えているからです。エスカレーションを行い、大規模動員や核の使用を行えば、国内情勢の悪化やNATOの参戦という、より悪い結果をもたらすとの考えがあったからでしょう。  

 

ウクライナ国民のほとんどが、第1、あるいは第2言語としてロシア語を操ることができます。戦争中ではあっても、どの国よりもロシア国内の情勢に精通しているが故、ロシアの反応を予測し、ロシアがエスカレーションを行えないことを読んだ上での作戦決行だったと思われます。 

 

 越境攻撃後のロシアの反応が注視されていましたが、プーチンは、この越境攻撃をテロと呼び、逆侵攻を受けた戦争だとすることはできませんでした。これは、極めて重要なことです。

プーチンは、独裁者であっても、絶対権力者ではありません。軍事侵攻を受ける弱い指導者であっては、国民の支持を失い、権力闘争で排除されるからです。 

 

 

 

 

■ ウクライナ側を利することになる戦略変更

  以上、ウクライナが越境攻撃を仕掛けた7項目の目的をあげましたが、どれが正解ということはなく、恐らくこれら全てを目的とした、複合目的の作戦だったと思われます。  越境攻撃は、軍事的にも、政治的にもリスキーな作戦でした。しかし、状況は順調に進展し、少なくとも越境攻撃自体はアメリカも追認するに至っています。まだ、進展を静観しなければならない段階ではありますが、戦線の拡大による局地的な戦力バランスの改善は、大きな戦略変更としてウクライナ側を利することでしょう。  なお、ザルジニー氏からシルスキー総司令官への交代ニュースは、ちょうど半年前の2月でした。クルスク攻撃の規模を考えると、準備に半年くらいは必要に思えます。今から考えれば、ではありますが、越境攻撃に反対するザルジニー氏から、賛成するシルスキー氏への交代だったのかもしれません。

 

数多 久遠

 

 

米国がかけていたブレーキを“強制解除”、ウクライナ軍がロシアを越境攻撃した本当の狙い(JBpress)

 

 

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Wiki

 

MGM-140 ATACMS (Army Tactical Missile System、日本語で「エイタクムス」、英語で /əˈtækəmz/(近似日本語音で/アターカムズ/)と呼ばれる) は、アメリカ陸軍地対地ミサイルの1つである。米ロッキード・マーティン社により製造されている地対地ミサイル (Surface-to-surface missile、SSM)。アメリカ陸軍を中心に使用されている。M270、M270 IPDS、M270A1といったMLRSHIMARSから発射される。地対地ミサイルではあるがシーカーを変更して対艦能力を付加することも検討されている[7]

ATACMS1発入りのコンテナは、他のMLRSロケット弾の6発入りコンテナ同様に蓋6枚や筒状の外装を有し、梱包物がATACMSか否か外観を判別不能に偽装し、部隊の射程を秘匿している。

バリエーション

 

Block I
950個のM74子爆弾
Block IA
275個のM74子爆弾。軽量化により射程が延長されている[8]
Block II
13発のBAT 無動力滑空型誘導式子爆弾。BATは目標上空で弾体から切り離されると、主翼を展開して飛行安定性を高め、滑空しながら音響センサーと赤外線センサーで目標を捜索して攻撃する。BATの弾頭はタンデム式の成形炸薬弾(2個の炸薬が時間差で爆発し、1個目で複合装甲や爆発反応装甲を破壊し、2個目で車両の内部に高熱の爆風を吹き込む)で、装甲車両の天井部分を攻撃し、破壊する。
Block IIA
6発のBAT 無動力滑空型誘導式子爆弾。軽量化により射程が延長されている。

運用史

[編集]

ATACMSの最初の実戦使用は1991年湾岸戦争における砂漠の嵐作戦で、合わせて332発のATACMSミサイルがM270 MLRSから発射された。

イラク戦争中のイラクの自由作戦で450発以上のATACMSミサイルが発射された[9]

2022年6月5日北朝鮮が8発の短距離弾道ミサイル日本海に向けて発射し、翌日にアメリカと韓国は連携してアメリカ1発、韓国7発のATACMSを発射し「精密攻撃の能力と準備」を示した