奥村組が熱中症対策で体調管理サービス利用、パリ五輪日本代表も使ったツール改良
山﨑 颯汰
日経クロステック/日経アーキテクチュア
建設現場の熱中症対策は喫緊の課題だ。奥村組はスポーツ向けの関連システムやサービスを提供しているユーフォリア(東京・千代田)が開発した選手のコンディション管理プログラムを、建設現場の作業者向けにアレンジして導入を始めた。体重や水分補給量といったデータを収集・管理することで、熱中症リスクの低減を目指す。2024年7月1日に発表した。
現場の作業者がコンディション管理プログラムを使う様子。2023年から試験導入し、24年6月から奥村組の一部の現場で本格的に利用し始めた(写真:奥村組)
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ユーフォリアは、クラウド型のコンディション管理サービス「ONE TAP SPORTS」をスポーツ選手向けに提供している。24年夏のパリ五輪に出場した男女バレーボールの日本代表など、多くのスポーツチームが同サービスを利用している。
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日本が東京オリンピックで獲得した金メダルの数は過去最多の27個を記録した。躍進につながった要因の1つに、体重や疲れ具合といった選手の「コンディション」を管理するデジタルツールの存在があった。ユーフォ...
2021/09/17
ONE TAP SPORTSを使えば、登録した人の疲労度や体温、睡眠時間といったコンディションの情報やトレーニングの実施状況、食事の量や品目などを記録して確認できる。入力したデータを関係者で共有し、選手自身だけでなく監督やコーチ、トレーナーなども閲覧できる。
奥村組が導入するプログラムは、ONE TAP SPORTSを建設現場の作業者向けにカスタマイズしたものだ。建設業に特化したコンディション管理プログラムを提供するのは、ユーフォリアにとって初めてである。
コンディション管理プログラムの画面イメージ。各自のデータを一覧表示できる。体重の急激な変化など異常が見つかると、アラートを出す機能がある(出所:ユーフォリア