YKK APがペロブスカイト太陽電池の実証実験、ミニチュアビル用いて「窓で発電」検証
山﨑 颯汰
日経クロステック/日経アーキテクチュア
秋葉原駅前に設置された、実証実験で利用するトレーラーハウス。窓部にはペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型太陽光発電を設置している(写真:日経クロステック)
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YKK APは2024年7月25日、東京都千代田区やAkiba.TV(東京・千代田)と共に、ペロブスカイト太陽電池を用いた「建材一体型太陽光発電(BIPV)」の効果を検証する実証実験を開始した。秋葉原駅前広場にミニチュアビルを想定したトレーラーハウス「Akiba ZERO BOX(アキバ・ゼロ・ボックス)」を設置し、発電量などのデータを収集する。実証実験の期間は、24年10月20日までを予定している。
Akiba ZERO BOXは、屋根をビルの屋上に見立て、シリコン系太陽光パネルを9.8m2設置。窓にはペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型太陽光発電を6カ所設置した。設置面積は17.28m2で、施工やメンテナンスが容易な「内窓タイプ」を採用している。
「Akiba ZERO BOX(アキバ・ゼロ・ボックス)」の内部の様子。窓部に設置された建材一体型太陽光発電の内窓タイプの透過率は約40%で、外の景色も問題なく見ることができた(写真:日経クロステック)
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実証実験の期間中、トレーラーハウスは千代田区民や来街者向けに、千代田区の情報を提供するインフォメーションセンターとして利用される予定だ。設置した太陽光発電のみで電気を自給するオフグリッド環境で運営する。
YKK APの水上修一取締役副社長は、「実証実験を通して、これまでYKK APが取り組んできた『窓で断熱』という省エネ技術に加えて、『窓で発電』という創エネ技術も推進していきたい」と意気込みを語った