こんな重要なことを論議しないこと自体がおかしい
この問題は、完全に、日本はくるっております、
シロアリの問題解決は簡単です。
例えば、2年ごとに業者に来てもらって(1年ごとでもよいですが)
スプレイなり、何なりをしてもらえばよいだけですし、
屋根などの、張替も、20年ごととか、適度にすればよい話ですし、
外壁に問題があるのなら、もっと長時間持つ外壁を発明なり、
取り入れればよいだけですし、
言い訳にはなりません。
それぞれの部品で、日本製が劣るのなら、
窓やドア―関連でも、外国製を輸入すればよいだけです。
政府と業界が、
ぐるになって、真面目な討論をしているふりをして、
本当は、真剣に取り組んでいないからが一番の原因です。
30年しか持たないといえば、それが常識になれば、業界が活性化するからです。
超長持ちする電池や、
超長持ちするタイヤなどを、
あえて作らないのと同じ、汚いやり方です。
これに関しては、三流国レヴェルの、”臭った政府”です。
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家の寿命が「たった30年」なのは先進国で日本だけ…「シロアリだらけの家」を住宅業界が放置する本当の理由
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kokouu
■「持ち家vs.賃貸」論争の衝撃的な回答
「持ち家か? 賃貸か?」 ネット上ではしばしばこの論争が生まれます。ですが、その答えは永遠に決着がつくことはありません。
持ち家派は「住宅は資産になるので賃貸より有利」、賃貸派は「家を持つと移動の自由が制限される、生活スタイルや家族構成の変化に対応できない」と主張します。 つまり、持ち家派はその資産性に注目して家を持つことを推奨するようです。 筆者は前職では、民間の指定確認検査機関の立場で、国土交通省が立ち上げたBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)や建築物省エネ法が新規制定された際に、民間の住宅性能に関する専門家として、国の委員会に入り、制度設計に携わりました。また現在は、高性能な住まいづくりをサポートする会社を経営しています。その専門家の立場から、この論争について衝撃的な回答をしたいと思います。
結論は、「持ち家も、賃貸も資産にはならない」です。
■投資額はどんどん上がるのに、資産額はほぼ増えない
ただし、この答えには条件があります。現状の「日本の」住宅は資産にならないというものです。
日本だけが住宅が資産にならないと言われてもピンとこない方が多いかもしれません。
しかし残念なことにそれは事実なのです。
その理由を本稿では紹介します。
図表1は、国土交通省のサイトに掲載されている資料です。
このグラフが示すのは、日本の住宅(右側)は住宅に投資しているのに、
住宅が資産にならないということです。
赤い線グラフが住宅の投資額、
青い棒グラフが住宅資産額です。
どんどん乖離していることがおわかりいただけるかと思います。
■投資した額の半分以上が消えてしまっている
一方、アメリカは住宅投資額がほぼそのまま資産として積み上がっています。
これは欧州諸国も同様です。
イギリス、フランス、ドイツも、おおむね住宅投資額に連動して、
住宅資産額が積み上がっています。
一方、日本の場合、住宅に投資したお金は資産にならずにどこかに
消えてしまっており、
その差額は約500兆円にも上っています。
日本国民が住宅に投資した額の半分以上は資産として積み上がらずに、
消えてしまっているのです。
つまり、われわれ日本は欧米に比べて
圧倒的に住宅が資産にならないのです。
住宅ローンを一所懸命返済しても、
肝心の住宅が資産にならないのですから、
欧米に比べて、家計のバランスシートは健全になりにくいわけです。
■イギリスの141年に対し、日本の寿命はたった30年
ではなぜ、日本だけが、住宅が資産にならないのでしょうか?
理由はいくつかありますが、
最大の理由のひとつに、
日本の住宅が極端に短寿命であることが挙げられます。
少し古い資料ですが、図表3のグラフを見ると一目瞭然です。
欧米の住宅の平均寿命は、80~100年以上であるのに対して、
日本は何と30年で寿命が尽きてしまいます。
この違いは住宅政策の考え方によるものと言われています。
欧米では長く大切に使っていくことを前提とした
「ストック型」という考え方であるのに対して、
日本では、戦後から高度経済成長期にかけて、
「質」より「量」と割り切り、
「スクラップアンドビルド」を前提とした
「フロー型」の考え方で住宅政策がとられてきました。
その後、「量」は充足したため、
現在の日本の住宅政策は、「ストック型」に移行し、
住宅の長寿命化を図ろうとしています。
しかし、欧米に比べればまだまだと言わざるを得ません
■「長期優良住宅」の認定を受けても万全とはいえない
ここまで読めば、次に気になるのは
「結局、日本の持ち家は今後長寿命になるのか?」ということではないでしょうか。
この答えは、残念ながら「現状では微妙」というのが筆者の見解です。
国は、住宅の長寿命化を目的に、
2009年から「長期優良住宅」という制度を始めています。
この制度は、長期にわたり良好な状態で住み続けられる住宅の基準を定め、
基準クリアの認定を受ける制度です。
基本的には、おおむねとてもいい制度だと思います。
ただ、「長期優良住宅」の認定を受ければ、
それで万全なのかというと、
残念ながらそうではありません。
その理由が認定基準の一つである「劣化対策等級」にあります。
劣化対等級とは、住宅性能表示制度で建物を評価する項目のひとつです。
劣化対策等級によって、
建物の劣化対策がどの程度行われているか評価することができます。
劣化対策等級のランクは3等級で表され、
等級が高ければ高いほど建物は長持ちします。
「長期優良住宅」では最高等級の劣化対策等級3の性能が要求されます。
劣化対策等級3は、
「3世代の耐久性 75~90年」の耐久性があることになっています。
■日本は時代遅れの「シロアリ対策後進国」
ただ、筆者の見解としては、
この劣化対策等級3の仕様の住宅だけでは、
75年ももたない可能性があると考えています。
それは、この劣化対策等級3が要求しているシロアリ対策が非常に甘いためです。
その背景には、日本の住宅業界の闇ともいえる業界の歪みがあります。
日本の住宅が75~90年もつようにするためには
シロアリ対策をなんとかしなければなりません。
そうでなければ持ち家は資産にはならないからです。
日本の住宅で一般的なシロアリ対策(防蟻処理)には、
大きく2つの問題があります。
1つは、薬剤の問題です。
だいたい9割程度の住宅会社は、
合成殺虫剤系の薬剤を使用しています。
その多くは、EUでは屋外使用が禁止されているネオニコチノイドといわれる薬剤です。
この薬剤は、
人体にも有害で、
大人も化学物質過敏症を引き起こすリスクがあり、
子どもの脳の発達障害やADHD(多動性)の原因物質であると言われています。
さらに問題なのは、合成殺虫剤は有機系なので、効果に永続性がないことです。
おおむね5年もたたずに分解されてしまい、
防蟻効果はなくなります。
そのため基本的には、5年ごとに点検して、再施工することになります。
人体に有害、しかも5年程度しかもたない。
日本は、そのようないわば時代遅れのシロアリ対策後進国なのです
■シロアリ業者がボロ儲けするため
建築基準法では、地盤面から1mまでの構造材に防蟻処理を求めています。
ですが、家が完成した後は、柱の間には断熱材が充填されており、
柱の内側も外側も壁があります。
そのため、壁の中の柱等への再施工は、
実質的にほぼ不可能です。
つまり、ほとんどの家は、5年もしないうちにシロアリに対して、
無防備になっているということです。
ではなぜ、永続性のない薬剤使用が主流を占めているのでしょうか?
それは、言葉を選ばずに言えば
「シロアリ業者がボロ儲(もう)けするため」なのです。
新築時の防蟻処理コストを安くする代わりに、
5年ごとの点検・再施工が必須となれば、どうなるでしょうか。
防蟻処理業者は、
5年ごとにお金が入ってくる「チャリンチャリンビジネス」になるのです。
だから、多くの日本の防蟻処理業者は、
この「ボロ儲けサブスク」をやめられません。
実は、世界的にはシロアリ対策はもっと進んでいます。
永続性があり、
人体にも無害な防蟻処理方法として、
ホウ酸処理や
加圧注入材等の選択肢があるのです。
しかしながら、日本ではあまり普及していないのが実情です。
もし、持ち家を資産にしたい方は、
工務店・ハウスメーカーを選ぶ際には、
ぜひ防蟻処理方法を確認してみてください。
施主の立場に立って家づくりをしている住宅会社は、
5年程度しかもたない合成殺虫剤系の処理は行っていません。
防蟻方法で住宅会社のスタンスがある程度判断できるので、
住宅会社選びの大きな判断材料として有効です。
■外来種のシロアリで日本の住宅はボロボロ
あなたの想像以上にシロアリ対策は急務です。
現在、日本国内ではアメリカカンザイシロアリという外来種の被害が急増しています。
これまでのシロアリは、
水分を必要とするので地中に巣をつくります。
そして、床下に「蟻道」と呼ばれる唾液や土で作ったトンネル状の通り道をつくり、地中の巣から「通勤」して、木部を食べます。
ところが、アメリカカンザイシロアリは、
従来のシロアリとは異なり、
構造材に残っているわずかな水分で生息できます。
そのため、水分のある地下からではなく、
外から羽アリが自分で羽を落として侵入してきたり、水分のない輸入家具に紛れ込んで侵入したりして、家の構造材自体に巣を作ります。
そして、家中に巣をどんどん増やしていくのです
■業者の点検でも発見しにくい
つまり、蟻道を作らないため、床下の点検では発見しにくいのです。さらに、屋根裏等の構造材にも巣をつくりますから、建築基準法で要求されている地盤面から1mの防蟻処理ではなく、家全体への防蟻処理が必要なのです。 すでに横浜市や都内の一部の区では、被害が面的に広がりつつあります。残念なことに、現在多くの住宅会社のシロアリに対する保証は、アメリカカンザイシロアリの被害は対象外になっています。これから新築する人は、ぜひ住宅会社に確認してみてください。
■15万~20万円程度で対策できる
では、このシン・シロアリとでも言える外来種のアメリカカンザイシロアリから家を守ることは可能なのでしょうか? 実は、それほど難しいことではなく、多額の費用がかかるわけではありません。筆者が普段お客さまにお勧めしているのは、屋根の構造材まで含めた主要構造部すべてをホウ酸処理することです。 普通の規模の住宅ならば、地盤面から1mまでホウ酸処理を行うのに対して、15万~20万円程度の追加費用で済みます。筆者が経営する会社がご紹介している提携先には、当社からの紹介の特典として、「主要構造部ホウ酸処理無料」にしてくださる工務店・ハウスメーカーも少なくありません。
■家を買う際は「シロアリ対策」を必ず聞く
ここまで読んでいただくと、日本の住宅業界の現状に驚いた方も少なくないかと思います。ほかにも、日本の住宅寿命を伸ばすために、壁の中で結露を生じさせないように、高気密・高断熱化をはかる必要があるなど、さまざまな対策がありますが、それは別の機会にご紹介します。 まずは、住宅を新築・購入する際には、どのようなシロアリ対策が行われるかの確認だけは必ずしてください。 残念なことに現状の日本では、持ち家を本当に資産にするためには消費者の知識が求められているのです。
---------- 高橋 彰(たかはし・あきら) 住まいるサポート代表取締役/日本エネルギーパス協会広報室長 千葉大学工学部建築工学科卒。東京大学修士課程(木造建築コース)修了、同大博士課程在学中。リクルートビル事業部、UG都市建築、三和総合研究所、日本ERIなどで都市計画コンサルティングや省エネ住宅に関する制度設計等に携わった後、2018年に住まいるサポートを創業。著書に、『元気で賢い子どもが育つ! 病気にならない家』(クローバー出版)、『人生の質を向上させるデザイン性×高性能の住まい:建築家と創る高気密・高断熱住宅』(ゴマブックス)などがある。 ----------
住まいるサポート代表取締役/日本エネルギーパス協会広報室長 高橋 彰
家の寿命が「たった30年」なのは先進国で日本だけ…「シロアリだらけの家」を住宅業界が放置する本当の理由(プレジデントオンライン)