殺人犯の釈放が発する二重のメッセージ

プーチンが“冷戦後最大級の身柄交換”で要求した「人物」は何を意味するか

 

 

 

ウォール・ストリート・ジャーナル(米国)

 

Text by Bojan Pancevski

 

 


ベルリンの公園でロシア政府と敵対する人物を殺害した罪で有罪判決を受けた同国の殺し屋で元情報部員のワジム・クラシコフ氏は、終身刑に服していたドイツの刑務所で看守にこう言った。

「私が刑務所で朽ち果てるようなことをロシア連邦は許さないだろう」

同氏が自慢げに語った予想は8月1日に現実のものとなった。冷戦後で最大規模となる身柄交換の一環で、クラシコフ氏はドイツ当局によって釈放され、ロシア側に引き渡された。スパイ罪に問われ、7月に不当な有罪判決を受けたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者もこの身柄交換で釈放された。
 

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は自ら、クラシコフ氏の帰国を求めていた。プーチン氏にとって、この暗殺者の釈放は二重のメッセージを伝えるものとなる

 

 

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