事業費2000億円の渋谷サクラステージ街開き、駅の「新南改札」利用開始で人流増
小山 航
日経クロステック/日経アーキテクチュア
事業費2000億円の渋谷サクラステージ街開き、駅の「新南改札」利用開始で人流増 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
東急不動産が主体となって
開発を手掛ける大規模複合施設
「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」
が街開きを迎えた。
2024年7月25日に新たな商業エリアがオープンし、
飲食店や書店、イベントスペース、シェアオフィスなど37店舗が営業を開始した。
開業済みのテナントと合わせ、計49店舗が出そろった。
先立つ同年7月21日には、
隣接するJR渋谷駅の「新南改札」も利用を開始。
渋谷サクラステージに直結する。
7月18日に開かれたメディア向け内覧会には、
東急不動産の星野浩明社長が登壇。
「この街開きで渋谷サクラステージは約1万人が働く場所となる。
駅の新南改札が開くことで、さらなるにぎわいが駅周辺で生まれる」と語った。
渋谷駅西口の歩行者デッキから見た大規模複合施設「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」のSHIBUYAタワー。地上4階など新たな商業エリアがオープンした(写真:日経クロステック)
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2024年7月25日の街開きでは、来場者が長蛇の列をつくった(写真:日経クロステック)
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渋谷サクラステージは、
東急グループが渋谷駅の西側で
開発を進めてきた大規模再開発プロジェクトだ。
23年11月にオフィステナントの入居が始まった。
総延べ面積は25万5000m2、
総事業費は約2000億円に上る。
事業コンセプトは
「働く」
「遊ぶ」「
暮らす」
を融合した「めぐり歩いて楽しいまち」だ。
24年7月25日に開業を迎えたのは、
渋谷サクラステージのうち駅寄りの
「SHIBUYAサイド」に入居する店舗だ。
特徴的なのは、
地上4階に設けた文化創造エリアだ。
サクラの「サク」と
4階の「ヨン」で
「サクヨン」と名付けた。
フードとカルチャーが交わる場と位置づけ、
渋谷初出店の飲食店や、
シェアラウンジを併設する大型書店、
クリエーターの活動拠点を開設した。
4階の中央に出店する「404 Not Found」は、
クリエーターの作業場やコンテンツ発表の場になる。
天井に設置したライン照明は使い方に合わせて色や照度をコントロールできる。
内覧会当日は幾つかのインディーゲームがプレイできるようになっていた
(写真:日経クロステック)
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4階のフードホール「FOOD MET(フードメット)」には、
ビアホールなど17店舗の飲食店が並ぶ。
テーブル席や通路沿いのソファ席、
スタンド席などエリア全体で200席ほどを用意した。
来館する人々が食事を楽しみながら交流できるスペースを目指す。
4階の奥に広がる「SHIBUYA SAKURAGAOKA BEER HALL」。この場所で醸造するオリジナルの地ビールを味わえる。フードコートのように自由に座って飲食を楽しめる場となる(写真:日経クロステック)
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4階の大型書店「TSUTAYA BOOKSTORE」にはシェアラウンジを併設した。購入前の本を3冊まで持ち込んで読める(写真:日経クロステック)
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7階には、スタートアップや起業を支援する会員制シェアオフィスを設けた。ワーカーや来館者の健康管理を支える医療施設も開業。東京大学医科学研究所と連携し、先端医療や健康分野の情報発信を担う場所になる。
7階に入居する医療施設「SHIBUYAウェルセンター」のラウンジ(写真:日経クロステック)
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東急不動産によると、渋谷サクラステージ周辺の人流は増え続けている。建物の完成前後で比較すると、ピークとなる午後6~7時について、着工前の19年3月と比べて10万人以上増えた(24年3月、1カ月の累計)。
同社都市事業ユニット渋谷事業本部の本部長を務める黒川泰宏執行役員は、「渋谷サクラステージのミッションは街に人を呼び込むこと。駅直結の施設なので人流は確実に増える。施設の評価につながるデータを継続的に収集する」と話す。
写真右が東急不動産の星野浩明社長。左が同社都市事業ユニット渋谷事業本部の黒川泰宏執行役員本部長(写真:日経クロステック