茨木市文化・子育て複合施設 おにクル(大阪府茨木市)

「立体公園」型で大胆に複合

全階貫く「縦の道」で自由に使える市民の場をつなぐ 

 

 

発注:茨木市 

 

設計:伊東豊雄建築設計事務所・竹中工務店JV 

 

 

施工:竹中工務店

 

 

山本 恵久

 

ライタ

 

 

 

 

 

開館後すぐに使いこなせるような状況にしておかなければ、単なる「ハコモノ」を抱え込みかねない。

 

そんな問題意識を持つ市長が主導し、

 

行政は公募型プロポーザル前から

一般市民との対話を推進。

 

設計側は市民が育てる施設のモデルを目指し、

公園化された建築を提案した。

 

 

北西側全景。茨木の民話に登場する鬼にちなんだ施設名称は、一般公募と市民投票で決まった。鬼もやって来るような魅力があるという意味が込められている(写真:生田 将人)

北西側全景。茨木の民話に登場する鬼にちなんだ施設名称は、一般公募と市民投票で決まった。鬼もやって来るような魅力があるという意味が込められている(写真:生田 将人)

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 大阪府茨木市の中心部に、2023年11月に開館した「茨木市文化・子育て複合施設 おにクル」の来館者数が24年6月初旬に100万人を突破した。

 地上7階建て、延べ面積約1万9700m2の新施設は、旧市民会館跡地エリアの整備事業の一環として建設された。設計を伊東豊雄建築設計事務所・竹中工務店JV(共同企業体)、施工を竹中工務店が担当した。

 茨木市は、旧市民会館の建て替えと同時に、街づくりや公共施設マネジメントの観点から近隣施設の諸機能の移転なども推進。大ホールや多目的ホールの他、蔵書数約10万冊の図書館、子育て世代包括支援センター、市民活動センター、プラネタリウムなどの複合化を決めた。

 そうした施設プログラムに対応し、おにクルの運営は、ホールをはじめとする貸し室のサービスや清掃などを担う全館の指定管理者、屋内こども広場、市民活動センターの各指定管理者、さらに市が直営する図書館機能や子育て支援機能などの各担当部署が共同で担う格好になる。各者が管理するオープンなスペースの間には物理的に明確な境界がないため、人流や音などが干渉する中で協力し合う運営が求められる

 

 

「立体公園」型で大胆に複合 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)