自称「平和の使節」の効果のほどは?
【解説】
ウクライナにもロシアにも“いい顔”をするハンガリー首相の思惑
【解説】ウクライナにもロシアにも“いい顔”をするハンガリー首相の思惑 | クーリエ・ジャポン (courrier.jp)
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)ほか
Text by COURRiER Japon
ハンガリーのオルバン・ビクトル首相の「独自外交」が止まらない。オルバンは7月2日にウクライナを訪問してウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談したと思いきや、その直後の7月5日にロシアを電撃訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領と会談した。続いて7月8日に中国を電撃訪問し、習近平国家主席とも会談した。
さらに、ニューヨークで開かれたNATOサミットの後の7月11日には、現職のジョー・バイデン大統領を「スルー」して、ドナルド・トランプ前大統領と面会したと報じられている。
独自の主張
プーチンと親しいオルバンはかねてより、ウクライナを全面的に支援するEUやNATOの主流派の方針に異を唱えており、ウクライナも領土の一部をロシアに明け渡すなどの譲歩をしたうえで、早期に戦争を終わらせるべきだと主張してきた。
ハンガリーは2024年7月1日に持ち回り制の欧州理事会の議長国に就任したばかりだ。EUやNATOを代表して交渉をしたわけではないが、このタイミングで「平和の使節」と銘打って外遊をおこなったことは、議長国としての影響力を活用したいという思惑もあると考えられる