世界の供給網に不可欠な存在へ

半導体競争が「職人芸をいまも保持する日本企業」に恩恵をもたらしている

 
富士フイルムは半導体事業と深い関係を築いたオールドエコノミー企業の一つ(写真は同社が昨年横浜で開いた展示会) Photo: Stanislav Kogiku / SOPA Images / LightRocket / Getty Images

 

ウォール・ストリート・ジャーナル(米国)

 

Text by Peter Landers and Yang Jie

 

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TOPPANホールディングスは、雑誌や新聞の印刷で知られる創業124年の日本企業だ。その株価は昨年初めから倍増している。 

定期購読が急増したからではない。AI(人工知能)ブームを受けて需要が高まっている半導体パッケージ基板の一種で同社が主導的地位にあるからだ。

日本は、 化学製品・パッケージ材料・製造装置といった、半導体サプライチェーン(供給網)の中でもあまり語られることのない地味な分野で強みを持つ。市場調査会社オムディアによると、世界の重要な半導体材料6種類に日本企業が占める割合は半分近い。
 

TOPPANの半導体担当の執行役員である古屋明彦氏は自社製品の一部を指し示しながら、「これらがないと、米国が一番心配している国防のところも機能しない」と述べた。