東京海上の20階建て「新・本店ビル」、三菱地所設計が100m都市木造の構造明かす
川又 英紀 東京海上ホールディングスと東京海上日動火災保険が 2028年度の竣工を目指している 東京・丸の内の「新・本店ビル」は、 国内最大規模の高層木造になる予定だ。 建物は地下3階・ 地上20階建てで、 高さは約100m。 延べ面積は約13万m2。柱や床に国産木材を使うことが話題になっている。
構造は鉄骨造、
木造、
鉄骨鉄筋コンクリート造の
ハイブリッド構造とする。
東京海上グループの「新・本店ビル」の完成イメージ(出所:東京海上ホールディングス、東京海上日動火災保険)
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設計は
イタリアの建築家であるレンゾ・ピアノ氏が主宰する
Renzo Piano Building Workshop(レンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップ、RPBW)と
三菱地所設計が共同で手掛ける。
25年3月にも設計を完了し、着工する計画だ。
現在は設計の最終段階だが、
プロジェクトで構造設計を担当している三菱地所設計の吉原正構造設計部長が日経クロステックの取材に応じた。
この先、設計が変更になる可能性もあるとしながら、新・本店ビルの木造部分を詳しく解説した。
新・本店ビルの木造部分を説明する、三菱地所設計の吉原正構造設計部長(写真:日経クロステック)
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吉原部長は三菱地所設計で、R&D推進部木質建築ラボ長も務めている。
構造の専門家であり、
木質建築の推進役でもある。
今回のプロジェクトの大きな課題は、
ピアノ氏がデザインした木立のような木造柱をどう実現するかだ。
高さが約100mある都市木造は、東京で前例がない。
レンゾ・ピアノ氏によるスケッチ。木立のように真っすぐに伸びる木造柱が描かれている(出所:RPBW、三菱地所設計)
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様々な検討の末、RPBWと三菱地所設計は
「基準階の柱52本のうち40本を木造柱にする」(吉原部長)。
木造柱を建物の外周部や、
空まで抜ける中庭空間の周りに配置。
最も人の目に付きやすい部分に木造柱を使う。
外周部の木造柱の外側は、
ダブルスキンのガラスカーテンウオールで覆う。
ガラス内側の木造柱が外からよく見えるようになる。
木立のような木造柱のイメージ(出所:RPBW、三菱地所設計)
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基準階の柱52本のうち40本を木造柱にする(出所:RPBW、三菱地所設計)
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外周部に配置する木造柱の外側は、ダブルスキンのガラスカーテンウオールで覆う(出所:RPBW、三菱地所設計)
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東京海上の20階建て「新・本店ビル」、三菱地所設計が100m都市木造の構造明かす | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
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2021/10/07