大和ハウスの売上高が建設業初の5兆円超え、物流などの事業施設がけん引
川又 英紀日経クロステック
連結売上高は過去最高の5兆2029億1900万円と、
建設業で初めて5兆円を突破した。
売上高は好調に推移しており、
前期比6%増で3期連続の増収となった。
25年3月期の通期予想は、同0.9%増の5兆2500億円を見込む。
24年3月期の営業利益は4402億1000万円で、
前期比5.4%減の減益になった。
ただし、退職給付債務の数理差異の影響を除けば、
同6.8%増の3936億9400万円と
過去最高で3期連続増益になっている。
2024年3月期の決算を説明する大和ハウス工業の芳井敬一社長(写真:大和ハウス工業)
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大和ハウスは現在、
23年3月期から27年3月期までの5カ年で
「第7次中期経営計画」を進行中だ。
最終年度となる27年3月期は、
売上高5兆5000億円、
営業利益5000億円の成長戦略を掲げている。
中計2年目の24年3月期で
売上高を約5兆2000億円まで伸ばしたことで、
5兆5000億円の目標達成は現実味を帯びてきた。
14年3月期に
2兆7003億1800万円だった売上高を
僅か10年で2倍近くまで拡大し、
5兆円の大台を超えたインパクトは大きい。
大和ハウスは現在、
住宅メーカー以外に
不動産会社(デベロッパー)と
建設会社の顔も併せ持つ。
そのため、
住宅メーカー最大手の積水ハウスだけでなく、
不動産最大手の三井不動産や
建設会社の鹿島や大林組、清水建設などが業績の比較対象に挙げられる。
大和ハウス工業は住宅メーカー、デベロッパー、建設会社の3つの顔を持つ。相乗効果で業績を急拡大させてきた。図は2023年3月期機関投資家・アナリスト向け経営説明会資料より抜粋(出所:大和ハウス工業)
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直近の売上高で見ると、
積水ハウスは
24年1月期の
連結売上高が3兆1072億4200万円。
三井不動産は
24年3月期が
同2兆3832億8900万円。
大和ハウスは
両社に2兆円以上の差をつけ、
独走していることが分かる。
大手建設会社と比べても、
売上高は約2倍の開きがある。
建設会社で言えば、
大和ハウスは13年にフジタを買収している