大和ハウスの売上高が建設業初の5兆円超え、物流などの事業施設がけん引

川又 英紀
 

日経クロステック

 
 
大和ハウス工業の業績拡大が止まらない。
 
2024年5月10日、同社は24年3月期の通期決算を発表した。
 

 連結売上高は過去最高の5兆2029億1900万円と、

 

建設業で初めて5兆円を突破した。

 

売上高は好調に推移しており、

前期比6%増で3期連続の増収となった。

 

25年3月期の通期予想は、同0.9%増の5兆2500億円を見込む。

 

 

 

 24年3月期の営業利益は4402億1000万円で、

 

前期比5.4%減の減益になった。

ただし、退職給付債務の数理差異の影響を除けば、

 

同6.8%増の3936億9400万円と

過去最高で3期連続増益になっている。

 

 

 

2024年3月期の決算を説明する大和ハウス工業の芳井敬一社長(写真:大和ハウス工業)

2024年3月期の決算を説明する大和ハウス工業の芳井敬一社長(写真:大和ハウス工業)

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 大和ハウスは現在、

23年3月期から27年3月期までの5カ年で

 

「第7次中期経営計画」を進行中だ。

 

最終年度となる27年3月期は、

売上高5兆5000億円、

営業利益5000億円の成長戦略を掲げている。

 

中計2年目の24年3月期で

売上高を約5兆2000億円まで伸ばしたことで、

5兆5000億円の目標達成は現実味を帯びてきた。

 

 

 14年3月期に

2兆7003億1800万円だった売上高を

僅か10年で2倍近くまで拡大し、

5兆円の大台を超えたインパクトは大きい。

 

 

大和ハウスは現在、

住宅メーカー以外に

不動産会社(デベロッパー)と

建設会社の顔も併せ持つ。

 

そのため、

住宅メーカー最大手の積水ハウスだけでなく、

不動産最大手の三井不動産や

建設会社の鹿島や大林組、清水建設などが業績の比較対象に挙げられる。

 

 

 

大和ハウス工業は住宅メーカー、デベロッパー、建設会社の3つの顔を持つ。相乗効果で業績を急拡大させてきた。図は2023年3月期機関投資家・アナリスト向け経営説明会資料より抜粋(出所:大和ハウス工業)

大和ハウス工業は住宅メーカー、デベロッパー、建設会社の3つの顔を持つ。相乗効果で業績を急拡大させてきた。図は2023年3月期機関投資家・アナリスト向け経営説明会資料より抜粋(出所:大和ハウス工業)

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 直近の売上高で見ると、

 

積水ハウスは

24年1月期の

連結売上高が3兆1072億4200万円。

 

 

三井不動産は

24年3月期が

同2兆3832億8900万円。

 

 

大和ハウスは

両社に2兆円以上の差をつけ、

独走していることが分かる。

 

大手建設会社と比べても、

売上高は約2倍の開きがある。

 

建設会社で言えば、

大和ハウスは13年にフジタを買収している