セックスツーリズムの中心地で起きていること

フィリピン“天使の街”で「少女を買う」アメリカ人観光客

 

 

 

ワシントン・ポスト(米国)

 

Text by Corinne Redfern / The Fuller Project

 

フィリピンにはセックスツーリズムの中心地として知られる街がある。スペイン語で「天使たち」を意味するアンヘレス市だ。ここに多くの外国人観光客、主にアメリカ人男性が訪れ、10代前半の少女たちを買春している。

ドゥテルテ政権は違法性産業を取り締まるどころか、観光客誘致策の一つとしてアピール。観光客の増加とともに、より多くの子供たちが性的搾取される危険性も増している。

人身売買で連れて来られ…


鏡張りのステージに上がった少女たちには、名前ではなく、番号が付けられていた。

地下にあるダンスバーで、彼女たちは円を描いて静かに歩く。肌が露出した腹部に腕を巻きつけ、床をじっと見つめている。

ステージの裏では、黒いハイヒールを履いた14歳の少女が肩をすぼめ、身を縮めて隠れるようにしていた。彼女は1年以上前に、フィリピン・マニラの北約80キロに位置するこの薄暗いナイトクラブに人身売買で連れて来られた。
 

そうやって“売られて”きた彼女は、ここアンヘレスの街で外国人男性に買春される年間何百人という少女たちの1人だ。買春をする男性の多くはアメリカ人である。

ベルが鳴り、1人の観光客がバーに入ってきた。店の経営者が鋭い視線を送るなか、ステージ裏で身を縮めていた少女が前に進み出て、作り笑いをした。スポットライトを浴びた彼女の膝は震えていた。
 

 

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