パレスチナ連帯は反ユダヤ主義なのか?

 
 

イスラエルを批判する

「言論の自由」が

ドイツでは法的根拠なく

奪われている

 
 
 

 

ドイツ・ベルリンで2024年4月12〜14日に開催が予定されていた

「パレスチナ会議」では、

12日の開始後すぐに警察から介入を受け、

開催を禁止された 

 

 

 

Photo by Halil Sagirkaya/Anadolu via Getty Images

 

 

ターゲス・ツァイトゥング(ドイツ)ほか

Text by COURRiER Japon

 

2023年10月7日のハマスによるイスラエルへの大規模攻撃以来、イスラエルを一貫して支持してきたドイツ政府。同時に、国内でのパレスチナ人に連帯しようとする動きも封じられようとしている。それはイスラエルに反対するユダヤ人であっても同様だ。ドイツでいま何が起きているのだろうか。

 

 

イスラエルの安全はドイツの「国是」


ホロコーストで約600万人のユダヤ人を組織的に殺害した過去のあるドイツは、第二次世界大戦後、イスラエルを軍事・財政面などで一貫して支援してきた。さらに「決して繰り返さない」というスローガンの下に、国内ではユダヤ人に対する加害の歴史が積極的に教えられてきた。そうして過去を克服し、人権と民主主義を重視するのが、1990年に東西ドイツが統一されて以降、国家のアイデンティティとされたのだ。イスラエルとの特別な関係が強調され、「イスラエルの安全は、ドイツの国是」とされた。

 

 



2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃後も、ドイツはイスラエルの自衛権を擁護してきた。2023年のドイツからイスラエルへの武器輸出額は前年比の10倍に一気に増えた。ストックホルム国際平和研究所の調査によると、2023年のイスラエルへの武器輸出の30%はドイツからのものだ。

また、「過去の反省」に基づき、ドイツ国内で「反ユダヤ主義」とみなされる発言や行動をすると、ヘイトを煽ったとして民衆煽動罰に処される。一方、反ユダヤ主義の定義が曖昧であるため、イスラエルという国家への批判はユダヤ人差別と混同されがちだ。この処罰は、ユダヤ人に対しても適用される。イスラエルを強く批判するユダヤ人も「反ユダヤ主義者」とのレッテルを貼られてしまうのだ

 

 

 

イスラエルを批判する「言論の自由」がドイツでは法的根拠なく奪われている | クーリエ・ジャポン (courrier.jp)