世界最大の「西陣織建築」になる驚きの万博パビリオン、外壁全面を覆う膜工事に着手
日経クロステック
大阪・夢洲(ゆめしま)で万博パビリオン「飯田グループ×大阪公立大学共同出展館」の躯体(くたい)に、西陣織の膜を取り付ける工事が始まった(写真:飯田グループホールディングス)
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このパビリオンは未来と伝統の融合、そして持続、循環、継承、進化を象徴する「サステナブル・メビウス」をテーマにした外観デザインが特徴である。メビウスの輪を想起させる3次元構造物の外壁全面に、西陣織をまとわせた建築になる。西陣織で覆う外壁の表面積は、約3500m2に達する予定だ。
西陣織は日本の高品質で繊細な伝統的工芸品として、世界にもその名を知られる高級絹織物だ。その西陣織を「着る」パビリオンは大きさだけでなく、日本らしさという意味でも大阪・関西万博の目玉になり得る。
パビリオンの構造は骨組み膜構造、一部鉄骨造。階数は地下1階・地上2階建てで、高さは約13m。設計は高松伸建築設計事務所(京都市)、施工は清水建設が担当している。西陣織は京都で1200年以上続く織物だが、今回の制作は西陣織の老舗である細尾(京都市)が手掛ける。
高松伸建築設計事務所の代表取締役である高松伸氏は、「長径24m、短径15mの巨大な楕円形都市モデルの周囲に全ての展示物を集め、ワンルームの立体展示を計画した」と語る。そのための架構を考え、メインアーチとサブアーチ、リングガーターなどの曲線構造材による3次元の躯体(くたい)形状がメビウスの輪を可視化することになるという