台湾地震で崩落しなかった日本統治時代の古い橋、被災地への輸送ルートとして「開通」…交通相「大先輩のお出ましだ」

読売新聞オンライン

補強工事が行われた日本統治時代の橋。手前の「下清水橋」は地震で崩落した=台湾の交通当局提供の動画から

 

 

 

 

 【台北=園田将嗣】

 

台湾東部・花蓮沖を震源とする地震で崩落した主要道路の橋に代わり、約90年前の日本統治時代に建設された橋が活用されている。古い橋が強い揺れに耐えたことに驚きの声が上がっている。

 

 

  【写真】救出された外国人の幼児(台湾東部・花蓮で)

 

 

 

 

 台湾紙・自由時報などによると、地震で崩落したのは花蓮の沿岸部にあり、台北への最短ルートとなる道路にある「下清水橋」(長さ約25メートル)。1972年に開通したが、花蓮で最大震度6強を観測した3日の地震で崩落し、通行できなくなった。

 

 

 

 被災地への輸送ルートとして復旧が急がれる中、注目されたのが、

 

近くにある日本統治時代の1930年に架けられた橋(同約10メートル)だった。

 

下清水橋の開通後は放置されていたが、

被災を免れ、鉄骨で補強すれば利用できることがわかった。

 

 

6日に開通し、

今は1日3回、重量5トン未満の小型車に限り通行が許可されている。

 

 思わぬ形で古い橋が再利用され、SNSでは「日本がしっかりしたインフラを残してくれて感謝」などの声が上がった。王国材・交通部長(交通相)も「大先輩のお出ましだ」と投稿した。

 

 

 台湾では各地に日本統治時代の建築物が残されており、飲食店や観光スポットとして活用されている。花蓮にある「慶修院」は徳島県からの移住者が1917年に建てた寺で、地震の影響で本堂の柱がずれ、土壁がはがれた。石像が壊れる被害もあった。本堂は参観できなくなり、修繕の見通しは立っていないという

 

 

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