どうして今まで、どこもやらなかったのか?
不思議すぎる、難題と、あるいは、
それほど、研究をだれもしなかったのか?
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施工段階から本設エレベーターをフル活用、戸田建設が超高層ビルに初適用
星野 拓美
日経クロステック/日経アーキテクチュア
施工段階から本設エレベーターをフル活用、戸田建設が超高層ビルに初適用 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
通常は建物の竣工後に使う本設エレベーターを、低層部の施工段階から作業員が使えるようにして、超高層ビルの建築工事における工期短縮を狙う──。戸田建設と三菱電機ビルソリューションズ(東京・千代田)は、東京・京橋で2024年9月に完了予定の戸田建設新本社ビル「TODA BUILDING(TODAビル)」新築工事に新技術を初適用した。2社が24年3月1日に発表した。
「TODA BUILDING」は地下3階・地上28階建て、延べ面積は約9万4800m2。高さ約165mの超高層ビルだ(出所:戸田建設)
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建築工事では通常、工事用エレベーターを解体した後に本設エレベーターを使えるようにする。超高層ビルの場合、本設エレベーターへの切り替え工事に3カ月以上の期間を要していた。また切り替え工事を終えるまで、床の仮設開口を塞ぐことができず、エレベーターシャフト付近に残工事が発生していた。新技術はこうした課題を解決し、建築工事の生産性を高めるために開発したものだ。
適用したのはTODAビルに設置する約25台の本設エレベーターのうちの1台。26人乗りの非常用エレベーターだ。作業員が工事中にフロア間を移動するのに利用した。新技術により、本設エレベーターのガイドレール取り付け作業など、本来は建物の竣工直前に集中する作業を前倒しで進め、作業を平準化した。これにより工事用エレベーター解体後の本設エレベーター関連工事を3カ月未満で完了するめどがついている。
戸田建設イノベーション本部技術研究所施工革新部の市村元プリンシパルアドバイザーは、「今回は施工段階で使えるエレベーターの台数を増やす計画としたが、新技術を導入する代わりに工事用エレベーターの台数を減らす計画を立てることも可能だ」と話す。工事用エレベーターの台数を減らせば、その分解体作業を減らせるため、さらに工期を短くできる。
新技術の核となるのは今回開発した3つの機器。(1)機械室ユニット(2)上部作業床兼揚重ユニット(揚重ユニット)(3)伸縮梁(はり)──だ。機械室ユニットの開発は三菱電機ビルソリューションズ、揚重ユニットと伸縮梁の開発は戸田建設が手掛けた。
機械室ユニットはエレベーターの動力源を移設可能な装置としてパッケージ化したものだ。揚重ユニットと伸縮梁を用いて機械室ユニットを順次、上層フロアにクライミングすることで、建築工事の進捗に合わせて本設エレベーターを使えるようにした。
新技術の核となるのは機械室ユニットと上部作業床兼揚重ユニット、伸縮梁の3つの機器だ(出所:戸田建設の資料を基に日経クロステックが作成)
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新技術の構成。機械室ユニットと上部作業床兼揚重ユニットそれぞれに伸縮梁を取り付けた(出所:戸田建設
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