増水した河川に流され現場代理人ら水死、堰堤工事で元請けを指名停止
安藤 剛
日経クロステック/日経コンストラクション
増水した河川に流され現場代理人ら水死、堰堤工事で元請けを指名停止 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
大分県は、砂防堰堤(えんてい)の工事現場で現場代理人ら2人が水死した労災事故を受け、元請け会社に3カ月の指名停止措置を講じた。犠牲者を出したことに加え、防災措置に不備があった点などを問題視した。指名停止期間は2024年2月27日から5月26日まで。
事故後に完成した大分県由布市内の花合野川の砂防堰堤。下流側から見る(写真:大分県)
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事故は23年7月25日に発生した。元請けの大鉄(大分市)は当時、大分県由布市内の花合野(かごの)川で県発注の砂防堰堤工事を進めていた。事故直前の工期は22年7月~23年10月だった。
上流側から見た花合野川の砂防堰堤。工事契約の当初金額は約1億8000万円だった(写真:大分県)
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気象庁は事故当日の午後3時12分、由布市に大雨警報と洪水警報を発表していた。県によると、現場付近では午後2時30分に雨が降り始め、その後1時間の雨量が65mmの豪雨に発達。平時は水深が数センチメートルの花合野川の水位が急上昇した。
現場では40代の下請け会社社員が、4mほど掘り込んだ河川の床掘り基面内に残っていた発電機を片付けようとして、川に流された。助け出そうとした大鉄社員の60代の現場代理人も流され、2人とも死亡した