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偽名使い、3年近く潜伏か インドネシアで拘束の西山ファーム元代表
毎日新聞
インドネシアで拘束された「西山ファーム」の元代表取締役、山崎裕輔容疑者(右)=国営アンタラ通信の映像から© 毎日新聞 提供
巨額詐欺事件の首謀者として国際手配されていた観光農園経営会社「西山ファーム」(岡山県)の元代表取締役、山崎裕輔容疑者(43)が発見されたのは、インドネシア西部に浮かぶ小さな島の近くの海上だった。
偽名を使って3年近く同国に潜伏し、首都ジャカルタなどを転々としていたとみられる。出稼ぎ労働者とともに、小型の木造船でマレーシアへ違法に出国しようとしたところを、現地警察に拘束された。
捜査関係者によると、山崎容疑者は捜査が迫った2020年2月に香港へ向けて出国した。その後、タイ、アラブ首長国連邦、ブルガリア、トルコを経て、21年4月にジャカルタ郊外の空港から観光ビザでインドネシアに入国した。
事態が急展開したのは今年1月。西部バタムのブラン島沖でパトロール中の警察が不審な船を発見した。乗員・乗客7人のうち外国人は山崎容疑者だけ。身分証を持っておらず、入管当局の取り調べに「名古屋市出身のハタナカ・ハジメ」と名乗り、生年月日も偽っていたという。現地メディアによると、船長らは「マレーシアにいる山崎容疑者の仲間から依頼された」と説明している。
2月下旬に現地警察が記者会見した際、報道陣の前に姿を見せた山崎容疑者の髪は肩まで伸びていた。インドネシア語は分からないようで、日本の記者から逃亡生活について聞かれると「仕事はしていなかった。家にいた」と話した。
拘束時はスマートフォン3台とパソコン2台を所持していたとされる。捜査関係者は「日本の仲間から送金を受けていた可能性もあり、金の流れを調べる必要がある」としている。
【森田采花
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「人生崩れた」 西山ファーム投資詐欺事件の被害者、元代表に憤り | 毎日新聞 (mainichi.jp)
「人生崩れた」 西山ファーム投資詐欺事件の被害者、元代表に憤り
愛知県警は近く、潜伏先のインドネシアで警察当局に拘束された観光農園経営会社「西山ファーム」(岡山県)の元代表取締役、山崎裕輔容疑者(43)を日本へ移送し、詐欺容疑で逮捕する。西山ファームの転売事業に出資して被害に遭った男性会社員(33)=名古屋市=は「捕まらないと思っていたので驚いた。この4年間どこで何をしていたのか、被害者のことをどう考えているのか。聞きたいことはたくさんある」と憤りを隠さない。

2018年5月、同僚から山崎容疑者の仲間とみられる男性を紹介された。半年後、市内のビルの一室で引き合わされたのが山崎容疑者だった。「高そうなスーツを着こなし、堂々としていた」。西山ファームの投資スキームや手掛けた投資事業を説明しながら「投資でお金を増やせたら、みんなが幸せになれる。その手伝いをしている」と熱弁を振るったという
持ちかけられたのは、果物の海外転売事業への出資。指定の通販サイトからクレジットカードで商品を購入すれば、数%上乗せして返金すると言われた。

指示に従い、複数のカードで月に最大200万円分の商品を購入した。負債額はあっという間に約800万円に膨らみ、「保証金」を含めて約1100万円を失った。返済に追われてマンションの部屋を退去し、自動車のローンも払えなくなり自己破産した。
「人生が崩れた。『幸せになる手伝いをする』と言われたのに、今は正反対の人生を送っている。真実を話し、謝罪してほしい」と訴えた。【森田采花