おめでとうございます!
アーキテクト王国・日本‼
山本理顕さんの代表作「横須賀美術館」(Tomio Ohashi/プリツカー賞提供)=AP
広島市西消防署
選考委員会の委員長は「山本さんは公の場と私的空間の境界を巧妙にぼやけさせ、コミュニティーの活性化に貢献した」と功績を評価
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山本理顕氏に2024年プリツカー賞、9人目の日本人受賞者が誕生
菅原 由依子
日経クロステック/日経アーキテクチュア
山本理顕氏に2024年プリツカー賞、9人目の日本人受賞者が誕生 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
日本人9人目となるプリツカー建築賞の受賞者が誕生した。
同賞を主催する
ハイアット財団が
米東部時間2024年3月5日午前9時(日本時間同日午後11時)、
受賞者に山本理顕氏を選んだと発表した。
日経アーキテクチュアの取材に山本氏は、
「1つの建築ではなく、私の長い歴史を調べ、いくつか現地も見た上で選んでくれたと聞き、非常にうれしい」と語った。
授賞式は今後、米国・シカゴにあるシカゴ美術館で開催される予定だ。
山本氏は、住宅空間やコミュニティーに関する思想を、建築設計や言論などを通じて積極的に展開してきた建築家として知られる。ハイアット財団は発表の中で、山本氏は建築家でありながら社会的な提唱者でもあると紹介。さらに、パブリックとプライベートの領域を近しいものとし、アイデンティティーや経済、政治、インフラ、住宅システムにおける多様性がある中で調和した社会を生み出した人物として評価した。
「くまもとアートポリス」の一環として建てられた「熊本県営保田窪第一団地」。設計を担った山本理顕氏は「完成当初は多くの批判にさらされたが、後に住民から使いやすいと感謝された。自分にとって重要なプロジェクトだ」と語る。1991年竣工(写真:Tomio Ohashi)
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選出理由について、審査員のコメントでは次の3点を挙げている。「社会的需要に対する責任として、コミュニティーへの意識を高めたこと」「個々の建築の反響を調整するため、建築の規律に疑問を投げかけたこと」「建築においても、民主主義においても同様に、空間とは人々の決意によって生み出されなければならないことを私たちに気付かせてくれたこと」だ。
東京都江東区で都市基盤整備公団(現・都市再生機構)が整備した賃貸住宅「東雲キャナルコートCODAN」。山本氏はデザインアドバイザーとして全体のまとめ役を務めたほか、1街区の設計も手掛けた。2003年竣工(写真:Tomio Ohashi)
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2人のアーティストのために建てた「石井邸」。アトリエに使えるほか、コンサートも開ける空間をつくり出した。1978年竣工(写真:Tomio Ohashi
2024年プリツカー建築賞を受賞した山本理顕氏。1945年生まれ(写真:日経アーキテクチュア)
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プリツカー建築賞はハイアット・ホテル・グループのオーナーが1979年に創設した賞で、建築界のノーベル賞とも称される。世界的に注目度の高い建築賞の1つだ。山本氏はその53人目の受賞者となる。これまで日本人では、故丹下健三氏、槇文彦氏、安藤忠雄氏、妹島和世氏、西沢立衛氏、伊東豊雄氏、坂茂氏、故磯崎新氏が受賞してきた。山本氏の受賞により、日本が世界で最も受賞者の多い国となる