大手ゼネコンの初任給「院卒30万円台」に突入、4社が3年連続アップで横並び
星野 拓美
日経クロステック/日経アーキテクチュア
大手ゼネコンの初任給「院卒30万円台」に突入、4社が3年連続アップで横並び | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
大林組、鹿島、大成建設、竹中工務店の大手ゼネコン4社は2024年2月中旬までに、24年4月に入社する大卒・院卒の初任給引き上げを決めた。初任給引き上げは4社とも3年連続で、いずれも大卒28万円・院卒30万円とする。建設業界では慢性的な人手不足に加え、時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」が目前に迫っており、若く優秀な人材の確保が喫緊の課題になっている。
大手ゼネコン5社の院卒の初任給一覧。2021年4月入社から24年4月入社までの4年間についてまとめた。カッコ内は前年からの引き上げ額。鹿島と大成建設、竹中工務店は総合職、大林組は勤務地を限定しない全国型職員、清水建設は職務や勤務地域を特定しないグローバル職の金額を示した(出所:取材を基に日経クロステックが作成)
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大林組、鹿島、竹中工務店は24年4月入社の大卒・院卒の初任給を23年4月入社に比べて3万円引き上げる。引き上げ額は直近3年間で最大だ。鹿島広報室は、「学生の当社に対する興味を引き出し、就職先として検討してもらう上でプラス材料になる。優秀な学生を確保するための有効な手段の1つだと考えている」と狙いを説明する。
清水建設は24年4月入社の新卒の初任給を引き上げるかどうか、24年2月中旬時点で検討中としている。大手ゼネコン5社の一角である同社も他4社と同様、22年と23年に初任給を引き上げている。職務や勤務地域を特定しないグローバル職の場合、23年4月に入社した新卒社員の初任給は、大手ゼネコンの中では大成建設と並んで最も高かった。
大手ゼネコン以外では長谷工コーポレーションが24年2月19日、24年4月に入社する大卒・院卒の初任給を23年4月入社に比べて4万5000円引き上げると発表した。大卒30万円・院卒32万円となり、大手ゼネコンを上回る