落合陽一氏が手掛ける万博パビリオン、未知の風景を生むインタラクティブな建築に
田口 由大
ライター
落合陽一氏が手掛ける万博パビリオン、未知の風景を生むインタラクティブな建築に | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
大阪・関西万博の運営主体である2025年日本国際博覧会協会は2024年1月18日、大阪市内で記者会見を開き、メディアアーティストの落合陽一氏が手掛けるシグネチャーパビリオン「null2(ヌルヌル)」の展示内容を発表した。会見には落合氏の他に建築デザインを担当したnoiz (東京・渋谷)の豊田啓介氏、同協会の髙科淳副事務総長が出席した。
パビリオンの外観イメージ。外側を覆った鏡のような幕がさまざまに変化し見たことのない風景を映し出す(出所:2023 Yoichi Ochiai 、NOIZ / Sustainable Pavilion 2025)
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また、記者発表会に先立ち、大阪市中央区の御霊神社において、建築工事を担当するフジタと大和リースが主催して工事の安全祈願祭が行われた。
パビリオンは、床面積655m2で鉄骨2階建て。テーマである「いのちを磨く」の「磨く」から連想した鏡をモチーフに、外側を金属系と樹脂系の素材から作った鏡のような幕で覆う。その鏡の幕をロボットアームで内側から引っ張ったり、押し出したり、ねじったりと様々に動かす。そうすることで幕に映った周囲の風景や人物をゆがませて、未知の風景を生み出す有機的な建築となる。
パビリオンの外観イメージ(出所:2023 Yoichi Ochiai 、NOIZ / Sustainable Pavilion 2025)
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「実際に来て、見ないと分からない“人類がいまだ見たことのないインタラクティブな構造体”」と落合氏。建築デザインを担当した豊田氏は、「現実世界とデジタルの境界が曖昧になっていることを肌で感じられる」と話す。
パビリオンについて説明をする落合陽一氏と、豊田啓介氏(写真:田口 由大