26年間停止中の羽田可動橋を3車線に改造、首都高更新で

青野 昌行

 

日経クロステック/日経コンストラクション

 

 

首都高速道路会社は更新事業の一環で、26年間運用を停止している1車線の羽田可動橋を3車線に造り替える。隣接して海底を通る羽田トンネルを更新工事で一部閉鎖するため、迂回ルートが必要になるからだ。2024年度に事業を開始する。24年1月16日に概要を公表した。

1998年から運用を停止している羽田可動橋(写真:日経クロステック)

1998年から運用を停止している羽田可動橋(写真:日経クロステック)

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 羽田可動橋は、横切る船を通すため、2本の桁がそれぞれ水平方向に旋回する方式だ。羽田トンネルの渋滞対策のため、南側にある首都高の入り口から来た車がトンネルを経由せず本線に合流できるルートとして建設した。しかし、首都高湾岸線の開通によって渋滞が緩和されたため、1990年の供用開始からわずか8年後の98年に運用を停止した。

羽田トンネルの概要(出所:国土地理院の写真を基に首都高速道路会社が作成)

羽田トンネルの概要(出所:国土地理院の写真を基に首都高速道路会社が作成)

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羽田トンネルの現在と更新後のイメージ(出所:首都高速道路会社)

羽田トンネルの現在と更新後のイメージ(出所:首都高速道路会社)

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 橋の造り替えのため、既存の桁は全て撤去する。下部構造については、既存の杭を活用しながら隣に新たな杭を打設し、横梁を新設する。現在は大型船が横切らないため、可動橋とはしない。

羽田可動橋の造り替え後のイメージ(出所:首都高速道路会社)

羽田可動橋の造り替え後のイメージ(出所:首都高速道路会社)

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 造り替えた3車線の橋は上り線として活用し、羽田トンネルの上り線で更新工事を実施。次に、更新が終わった上り線を新たに下り線として利用し、既存の下り線の更新工事に移る。

 更新完了後も、造り替えた橋は3車線とも上り線として利用する。更新後のトンネルは、現在の上下線を両方とも下り線として使用するので、片方が工事や事故の際にもう一方で交通を確保できるようになる。

羽田トンネル更新の施工手順(出所:首都高速道路会社)

羽田トンネル更新の施工手順(出所:首都高速道路会社)

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26年間停止中の羽田可動橋を3車線に改造、首都高更新で | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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