囚人の身分証明書が服の中から…

英国で買ったコートに隠されていた、中国の労働者からのメッセージ

 

ガーディアン(英国)

 

Text by Amy Hawkins

 

自分の使っている製品が、どこでどんな人に作られているのか、考えたことはあるだろうか? 遠くの国で作られた衣服に、思いもよらないメッセージが込められていたという人の体験を英紙が報じた。

 

オンラインで買った衣類から見つかったもの


英国在住のある女性が、アウトドアウェア・ブランド「レガッタ」の防水コートをオンラインのセールで購入した。商品を受け取ると、女性はそれを早速着用してみた。すると、右袖に何か硬いものがあるのを感じた。そのせいで肘の動きが制限されるほどだった。

裏地の中には、何か長方形のものが入っていた。何なのかを確認するためにコートを切ると、出てきたのは身分証明書のようなものだった。囚人服のようなものを着て、身長の目盛りの前に立つ人の写真が入った、中国語のカードだった。
 

 

 

 

 

 

 

 

そのカードの入っていたプラスチックのホルダーには、「司法部監獄管理局作成」と中国語で入っていた。証明書には中国の刑務所の名前も書かれていた。

「まさか英国ブランドのレガッタの商品にこんなものがあるなんて思いもしませんでした。子供たちにもレガッタの服を着せています……本当に嫌ですし、不安です」と、購入者の女性は語る。

女性はレガッタのウェブサイトのチャットサービスから、顧客担当者に出てきたカードの写真を送った。だが、担当者からは「そんな例は聞いたことありません」という返事が戻ってきた。

その身分証明書が刑務所のものなのかを尋ねると、担当者はこう答えた。 「いいえ、これは中国の労働者の身分証明書です。私たちの中国にある工場のものです。でも、あなたの言うとおり、刑務所のもののように見えますね」

担当者はカードを処分するように言い、女性は不安を感じたがそのとおりにした。「それ以上は何も考えませんでした」

 

 

 

 

 

 

しかし、その日の夜、レガッタから彼女の元にメールが届いた。身分証明書とコートを送り返して欲しいというのだ。その翌日、彼女はレガッタの担当者数人と電話で話をした。

英国で買ったコートに隠されていた、中国の労働者からのメッセージ | 囚人の身分証明書が服の中から… | クーリエ・ジャポン (courrier.jp)

 

Guardian Weekly on X: "Chinese prisoner’s ID card apparently found in lining of Regatta coat https://t.co/4EDy5mX997 https://t.co/2IejDQ77kY" / X (twitter.com)