省エネ適判申請の不備で床暖房を使用できない、設計事務所に賠償請求
荒川 尚美
日経クロステック/日経アーキテクチュア
滋賀県野洲市は、2023年8月1日に開所した同市発達支援センターの建築物エネルギー消費性能適合性判定(以下、省エネ適判)に関する図書に不備があり、検査が保留となったため、床暖房が使用できない状況になっていると同年10月23日に発表した。この施設では駐車場の工事が続いているため同年6月に建築基準法に基づく仮使用の認定を受けていた。
野洲市発達支援センターの完成イメージ。都市ガスを熱源とする温水式床暖房を設置する。既存施設を解体して、発達支援センターの手前に駐車場を整備する(出所:野洲市)
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市は、提出図書の不備は実施設計業務を手掛けた建築設計事務所の瑕疵(かし)であるとし、この設計事務所に対し、省エネ適判の再申請提出委託料77万5500円と審査手数料34万1000円、計111万6500円の損害賠償を請求すると発表。野洲市議会は23年11月7日の臨時会で、損害賠償金の歳入・歳出を盛り込んだ補正予算案を可決した。
この設計事務所は損害賠償金の支払いに応じる意向を示し、適判の計画変更申請を準備中だという。同センターは「設計事務所には23年度内のできる限り早く、計画変更を終えてもらう」とする。
市は設計事務所名を非公表としている。市が21年に実施した同センターの実施設計業務の指名競争入札は、岡村設計(滋賀県甲賀市)が落札している。岡村設計は日経クロステックの取材に応じなかった。野洲市発達支援センターは、「確認検査機関からは、申請図書に問題がないと聞いていたので、不備があるとは思いもしなかった」とする。
野洲市発達支援センターは鉄骨造2階建てで、延べ面積は1480m2。既存建物の隣に立つ。都市ガスを熱源とする温水式床暖房を、13部屋に計約600m2敷設する計画だった。既存建物を解体して駐車場を整備する工事が続いており、24年度中に完了検査を経て竣工する予定だ。
市によると、この設計事務所は省エネ適判を22年2月、建築確認を同年3月、滋賀県建築住宅センターにそれぞれ申請した。省エネ適判の申請時に、床暖房を「補助暖房」と見なして、省エネ計算に含めずに評価していた。省エネ適判の申請図書にも、床暖房に関する資料を添付していなかった
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- 名 称
- 株式会社岡村設計
Okamura Sekkei Co.,Ltd.
- 所在地
- 〒528-0069滋賀県甲賀市水口町虫生野虹の町136
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- 電話番号
- 0748-65-1133
- FAX番号
- 0748-65-1150
- 代表者
- 代表取締役 岡村浩孝
- 設 立
- 昭和51年5月12日
- 沿 革
- 昭和51年 岡村一級建築士事務所 開設(甲賀町)
昭和54年 住所移転(甲賀町)
平成12年 株式会社岡村設計に社名変更
平成20年 住所移転(甲賀市水口町)
- 資本金
- 1000万円
- 登 録
- 一級建築士事務所登録 滋賀県知事 ホ-1644号
- 所 属
- 滋賀県建築士会
滋賀県建築士事務所協会
- 業務内容
- □建築に関する企画・設計・監理・積算
公共・コミュニティ施設
生産施設(製薬工場・製薬研究・物流)
商業施設
学校施設
集合住宅
住宅・インテリア・内装・リフォーム
□耐震診断・調査他
公共・コミュニティ施設
アスベスト撤去
- 社員数
- 8名(2023年6月現在)
- 有資格者
- 一級建築士 4名
二級建築士 3名
建築積算士 2名
特殊建築物調査資格者 1名
二級福祉住環境コーディネーター 1名
二級建築施工管理士 1名