浄水場ですから、これは大問題です
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浄水場から化学物質PFAS、血液検査した住民全員「健康被害の恐れ」…高濃度の水を長期間利用か
読売新聞
高濃度のPFASが検出された円城浄水場(岡山県吉備中央町で)© 読売新聞
岡山県吉備中央町の円城浄水場から高濃度の化学物質「PFAS(ピーファス)」が検出された問題で、住民らでつくる「円城浄水場PFAS問題有志の会」は20日、記者会見を開き、同浄水場の給水区域に住む2~80歳の27人を対象に行った血液検査の結果を公表した。全員が、米国の学術機関が健康被害の恐れがあるとした濃度を超えていたという。
有志の会は11月26日に年齢や性別のバランスを考慮して選んだ住民から採血し、PFASを研究する京都大の原田浩二准教授らに分析を依頼した。
血中濃度に関する国の基準などはないが、検査の結果、PFASのうち、発がん性が問題視されている「PFOA(ピーフォア)」の数値が特に高く、腎臓がんや精巣がんのリスクが高まる濃度として米国の学術機関が設定した指針値「1ミリ・リットルあたり20ナノ・グラム」を全員が超えていた。最大値は348・5ナノ・グラムで、中央値(162・6ナノ・グラム)は世界的に有名な米国の検出地域で行われた検査結果の5・8倍だった。
同浄水場では、2020年から毎年行った水質検査で、PFOAと類似物質の「PFOS(ピーフォス)」の合計値が、国の暫定目標値(1リットルあたり50ナノ・グラム)を28~16倍上回る1400~800ナノ・グラム検出されていた。19年以前の検査は行われていないが、住民は長期間、高濃度の水を利用し続けたとみられる。
有志の会の小倉博司代表(70)は会見に先立ち、希望者全員の血液検査を求める要望書を山本雅則町長に提出。小倉代表は「早期発見、早期治療のためにも、一日も早く実施してほしい」と話した。会見に同席した小泉昭夫・京大名誉教授は「世界的にも高い数値。血液検査や健康調査、相談外来の開設、継続的な観測体制が必要」と訴えた。
山本町長は「血液検査の数値を知り驚いた。要望を受け止め、結果を健康影響対策委員会に伝えたい」と話した