米FRB、スタンス急転換 利上げ含みから利下げ視野へ 3回連続据え置き

 

時事通信

記者会見する米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=13日、ワシントン(AFP時事)

 

 

 

 【ワシントン時事】

 

米連邦準備制度理事会(FRB)は13日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、3会合連続の政策金利据え置きを決めた。

 

 

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決定は予想通りだったが、同時に2024年の利下げ加速シナリオを提示。インフレ警戒で追加利上げに含みを持たせていたこれまでのスタンスから一変、利下げ視野へ急転換した。  「視野に入り始めており、この日協議した」。パウエル議長は記者会見で、利下げの適切な開始時期を巡って話し合ったことを明らかにした。  また、会合参加者の見通しでは、24年末の政策金利水準は年4.50~4.75%と、現行の5.25~5.50%から0.25%幅で3回の利下げを想定していることが示された。9月時点の想定では2回だった。  FRBの「サプライズなシフト」(エコノミスト)に、市場は敏感に反応。3回どころか、24年内に計1.5%の大幅な利下げを織り込みつつある。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は史上最高値を付ける一方、外為市場では円高・ドル安が進行した。  FRBのスタンス急転換の背景には、インフレの順調な鈍化がある。パウエル氏は、来週発表される11月の個人消費支出(PCE)物価指数が前年同月比2.6%上昇と、前月(3.0%上昇)からさらに減速し、2%台になると予想。インフレ率低下で「実際の進展を目の当たりにしている」と意を強くする。  ただ、物価面での改善は最近のエネルギー安によるところが大きい。サービス価格の上昇圧力は根強く、先行きには不透明感が漂う。パウエル氏は「目標の2%に向け、さらなる進展を確認する必要がある」と強調。インフレ再燃に備えて「適切なら一段の金融引き締めの準備がある」と述べ、利上げの選択肢をなおも残している

 

 

 

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