英国大使館跡から弥生時代の集落跡 マンション建設予定の超一等地
森下香枝
東京都千代田区一番町の英国大使館跡地から弥生時代の集落跡などが発見された。皇居に面し、桜の名所として知られる千鳥ケ淵公園の目の前にある都心の超一等地であり、再開発でマンション建設が予定されている土地だ。ただ、遺跡として現地に残すことは難しいと区は説明している。
区によると、今年6月から発掘調査が進められているのは三菱地所レジデンス(本社・千代田区)などが再開発するマンション建設予定地のうち約7700平方メートル。10月までに弥生時代の竪穴住居跡が21棟、縄文時代のもの3棟、時期が不明の竪穴住居跡4棟が見つかった。土器なども出土し、上水木樋(もくひ)や井戸、地下室も確認された。
調査は来年3月まで続く予定で、あらたな遺跡が見つかる可能性もある。ただ、調査後は埋め戻されて、マンション建設が始まる見込みだ。区の担当課は「遺跡の出土範囲も広く、残すことは難しい」。都などと対応を相談し、「文化財保護法にのっとり、写真や発掘図面など記録を残すのみになる」という。三菱地所レジデンスも「区とともに法にのっとって建設を進めていく」としている。(森下香枝