光ベースの情報処理インフラ「IOWN」、低消費電力・高品質・大容量・低遅延を実現

日経パソコン
 
 

NTTグループが推進する、フォトニクス(光)ベースの技術を中心とした情報処理インフラ構想。ネットワークから端末まで全てに光ベースの技術を導入し、低消費電力、高品質、大容量、低遅延を実現する。

 国内インターネットにおける1秒当たりの通信量は、2006年から約20年間で190倍になると見込まれる。通信量の増大はネットワークの負荷を高めると同時に、莫大なエネルギーを消費する。

 「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」は、従来のエレクトロニクス(電子)ベースの通信ネットワークを、フォトニクス(光)ベースの技術に置き換えることで、通信量や消費エネルギーの増大に対応しようとする取り組みだ。NTTグループを中心として進められている。IOWNでは、現状比で伝送容量が125倍、遅延が1/200、電力効率が100倍となるサービスを2030年ごろに実現することを目指している。

 NTT東日本と同西日本は、2023年3月、IOWNの実現に向けた初の商用サービス「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)IOWN1.0」の提供を開始した。これは企業向けの専用回線サービスで、通信ネットワークの全区間で光波長を使用し、「低遅延・ゆらぎゼロ」を実現しているという。

 NTTは過去に「iモード」や「NGN」で業界共通の基盤づくりに失敗した反省から、IWONをオープン化し業界全体で取り組む。米インテル、ソニーとともに「IOWN Global Forum」を設立。2023年4月時点でライバルのKDDIを含め、欧州、米国、アジアなどから118企業・団体が加盟している。

NTTグループが中心となって推進する「IOWN」の導入スケジュール。IoTの普及に伴って予測される通信量や消費電力の増加といった課題に、光技術で対応する(出所:NTTのWebサイト)

NTTグループが中心となって推進する「IOWN」の導入スケジュール。IoTの普及に伴って予測される通信量や消費電力の増加といった課題に、光技術で対応する(出所:NTTのWebサイト

 

 

光ベースの情報処理インフラ「IOWN」、低消費電力・高品質・大容量・低遅延を実現 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)