失敗
と、
”ずる”
ごまかし、
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正直で、忠実に、真面目に、一生懸命やっていた失敗を、失敗といいます。
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超高層マンション工事で計534億円の損失、三井住友建設が犯した2つの失敗
小山 航
日経クロステック/日経アーキテクチュア
三井住友建設は2023年11月8日、同社が国内で施工中の大型建築工事で計534億円の損失を計上するに至った原因について、第三者委員会がまとめた調査報告書の概要を公表した。同委員会は、難易度が高い地下工事における工法・工期の検討や懸念事項の共有などが不十分だった点や、工場製作部材の図面作成に関する見通しの甘さや体制の不備などを指摘した。
三井住友建設の第三者委員会がまとめた調査報告書の概要の一部。技術的側面の検証は、日本大学の福井剛教授、芝浦工業大学の志手一哉教授が担当。ガバナンスや内部統制面は森・濱田松本法律事務所の藤原総一郎弁護士が検証した。トータルアドバイザーとして、郷原総合コンプライアンス法律事務所の郷原信郎代表弁護士が調査結果の評価を担当した(出所:三井住友建設)
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三井住友建設は、施工中の国内大型建築工事で22年3月期に219億円、23年3月期に315億円もの工事損失を計上している。同社は「発注者との関係」を理由に物件名を明らかにしていないが、東京都港区で施工している高さ約270mの超高層マンション「麻布台ヒルズレジデンスB」とみられる。
同社は多額の損失計上を受け、大学教授や弁護士による第三者委員会で検証を実施。23年9月29日には、調査と再発防止策の作成が完了したと発表した。その後、株主から調査報告書の内容について開示を求める要望が寄せられたことを受け、11月8日に報告書の概要を公表した。営業秘密が含まれることなどを理由に全文開示は見送った。
報告書の概要(以下、報告書)によると、この工事は建物の高さと地下の掘削深さのいずれについても、過去にない規模の集合住宅だった。このプロジェクトの発注者から工事を受注するのは三井住友建設にとって初めてで、設計は他社によるものだった。
多額の損失を計上するに至った主因は2つある。
1つは、大深度を含む地下工事で大幅な工法変更などが生じたことによる工期遅延だ。報告書によると、入札直前に工法へ影響を及ぼす“事情”が判明したという。同社は日経クロステックの取材に「発注者との関係もあり、詳細は控える」と回答しており、具体的な内容は不明だが、入札後に工法を大幅変更することになった。さらに契約締結後、現場に近接する地下鉄軌道の正確な位置が判明し、再度の変更を余儀なくされた。その結果、最終的に15カ月の工期遅延が生じた。
委員会は工法変更問題の原因について、工事受注を支援するために全社を挙げて組成した約50人から成るプロジェクトチームの体制などに言及。チーム内外の情報共有体制が不十分だったため、懸念事項に対する詳細な検討が適時になされなかったと断じた。
また、チームと支店、建築本部の3者の役割分担、責任や権限の所在が明文化されておらず、検証が不十分になった可能性があるとした。さらに、懸念事項をチーム内外で十分に共有できなかったため、技術力の高い人員を適切に投入できず、工期遅延の把握が遅れた可能性があるとも指摘した。
もう1つは、急速施工工法に使用したプレキャスト(PCa)部材の不具合。再製作や設置済み部材の取り換えなどに伴って追加費用が発生した。具体的には、部材の一部に鉄筋貫通孔の曲がりと不適切な補修が判明した。また、施工図の誤りによって柱鉄筋貫通孔の位置が異なっていた。
三井住友建設が東京都内で進めている大型建築工事の現場(写真:日経クロステック
超高層マンション工事で計534億円の損失、三井住友建設が犯した2つの失敗 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)