DeNAと京急が川崎駅至近に1.5万人アリーナ、外装デザインは仏モロークスノキ

川又 英紀
 

日経クロステック

 

 

 

 

ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)と

京浜急行電鉄(以下、京急電鉄)が

 

川崎市で推進している

民間プロジェクト「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」で、

 

新設するアリーナを含む

複合エンターテインメント施設の

 

設計者やデザイナーが決まった。

 

2023年11月21日に両社が発表した。

 

 

 

 基本設計は

久米設計、

 

 

アリーナのボウルデザインは

アメリカのオーバーランド・パートナーズ(OVERLAND PARTNERS)、

 

 

外装デザインは

フランスのモロークスノキ建築設計(MOREAU KUSUNOKI)

がそれぞれ手掛ける。

 

 

 

「各分野で実績が豊富な日米欧の最強チームを結成できた。

 

川崎市の新しいシンボルになれるように設計チームの力を借りたい」と、

 

DeNAスポーツ・スマートシティ事業本部川崎拠点開発室室長兼DeNA川崎ブレイブサンダース取締役会長の

元沢伸夫氏は語る。

 

 

 

 施設はDeNAと

京急電鉄が

共同出資して建設する。

 

 

運営は

DeNAが出資する新会社が担う方向で検討している。

 

基本設計を受けて、

24年春には施設のパースを公開する予定だ。

 

25年にも着工し、

28年の開業を目指す。

 

 

 

「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」で新設するアリーナを含めた複合エンターテインメント施設の配置イメージ(出所:DeNAと京急電鉄の発表資料より参照)

「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」

で新設するアリーナを含めた

複合エンターテインメント施設の

配置イメージ

(出所:DeNAと京急電鉄の発表資料より参照)

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 久米設計は

「東京有明アリーナ」など

国内事例が豊富だ。

 

 

数多くのスタジアムや

ボウル施設の

設計を手掛けてきたオーバーランド・パートナーズは、

アリーナの形状や

座席配置、

VIPルームの位置

といったボウルデザインを手掛ける。

また、スポーツ施設の顧客体験価値を高める仕掛けを用意する。

 

同社は1987年に米テキサス州で誕生し、

現在は東京オフィスも構えている。

 

 

 

 外装デザインは、

仏パリを拠点とする

モロークスノキ建築設計

 

を起用する。

 

 

DeNAは国内外の建築設計事務所を対象に

コンペを実施し、

 

モロークスノキ建築設計を選定した。

 

 

同社はニコラ・モロー氏と

楠寛子氏が

2011年に立ち上げた設計事務所だ。

 

フィンランドで計画されている美術館

「グッゲンハイム・ヘルシンキ」の

国際コンペで最優秀賞を獲得する

 

など注目度が高く、

現在は世界中でプロジェクトが進行中である。

 

 

 

 アリーナは、

DeNA傘下のプロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」

の本拠地になる。

 

28年10月に開幕するシーズンから

アリーナを使用する予定である。

 

DeNAは23年3月に川崎市の京急川崎駅近くに、

約1万人収容の新アリーナを含む複合エンターテインメント施設を開業すると

発表していた。

 

 

 そして今回、

複合エンターテインメント施設の

建設予定地に隣接する敷地を新たに取得したことを明らかにした。

 

現在、「KDX川崎駅前本町ビル(KDXビル)」

が立つ土地である。

 

追加取得により敷地を広げられるだけでなく、

 

「建設予定地を長方形の整形地にできる」(DeNAの元沢氏)。

 

敷地面積は当初発表されていた

約1万1670m2

今回の約1970m2が加わり、

合計で約1万3640m2に拡張する。

 

 

当初の建設予定地の隣に立つ「KDXビル」の土地と建物を新たに取得し、施設を拡張する(出所:DeNAと京急電鉄の発表資料より参照)

当初の建設予定地の隣に立つ「KDXビル」の土地と建物を新たに取得し、施設を拡張する(出所:DeNAと京急電鉄の発表資料より参照)

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 アリーナの最大想定収容人数も、

当初の約1万人から約1万5000人に拡大する。

 

川崎ブレイブサンダースが

ホームアリーナとして使用する際の最大収容可能人数は、

1万2000人規模になる見通しだ。

 

 

 最大で約1万5000人収容のアリーナになると、

 

「首都圏で音楽ライブや

格闘技大会などが開かれる主要施設と

肩を並べられるようになり、

大規模イベントの誘致が可能になる」(DeNAの元沢氏)。

 

音楽ライブの開催で比較すると、

横浜アリーナや

さいたまスーパーアリーナ、

代々木第一体育館、

日本武道館などの収容人数に匹敵する。

 

しかも今回のアリーナは

「年間200日稼働を想定しており、

業界でもかなりの高水準を目指している」(DeNAの元沢氏)。

 

 

 

アリーナを含めた複合エンターテインメント施設の断面イメージ(出所:DeNA、京急電鉄)

アリーナを含めた複合エンターテインメント施設の断面イメージ(出所:DeNA、京急電鉄)

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 元沢氏は

「バスケットボールの試合だけでなく、

各種イベントにアリーナを使ってもらえるよう

興行主などと話し合いを進めている。

 

当初計画の1万人よりも1万5000人規模のほうが施設の利用ニーズが高いと感じている」と明かす。

 

 

 

 DeNAは

18年から川崎ブレイブサンダースを運営しており、

売り上げが過去5年間で約7倍に伸びるなど急成長している。

 

バスケットボールは特に子どもたちに人気が高く、

「バスケットボールのスクール加入者が2000人を超えた。ポテンシャルは大きい」(DeNAの元沢氏

 

 

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