ハマスが新たに人質17人を解放、計58人に 一時休戦3日目

毎日新聞

パレスチナ自治区ガザ地区との境界線で作業をするイスラエル兵ら=イスラエル南部で2023年11月20日、AP

 

 

 

 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは休戦3日目の26日、イスラエルから拉致した人質17人(イスラエル人14人、タイ人3人)を新たに解放した。24日に始まった休戦中の人質解放は3回目で、拘束を解かれたのは計58人となった。またハマスは同日、休戦期間の延長を「(イスラエル側に)提案している」とする声明を出した。休戦は27日までの予定だったが、ハマスの提案を受け、イスラエル側も延長について協議している。 

 

 

 

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ハマスが26日に解放したのは、40~80代の女性4人と4~17歳の子ども9人。また、友好関係があるロシアのプーチン大統領の意向を受け、ロシアとイスラエルの二重国籍の男性1人とタイ人3人を解放した。一方、イスラエル政府は拘束していたパレスチナ人39人を釈放した。これで釈放されたパレスチナ人は計117人になった。  24日からの4日間の休戦期間中、ハマスは越境攻撃で拉致した人質約240人のうち計50人を、イスラエルは拘束する計150人のパレスチナ人をそれぞれ順次解放・釈放することで合意している。これとは別に、人質となった外国人被害者については、各国政府がハマスとそれぞれ交渉を続けている。また、4日間の休戦後もハマスが追加で人質10人を解放するごとにイスラエルが30人を釈放し、休戦期間を1日ずつ延長する構想がある。ハマスはこの構想に沿って休戦延長を提案しているとみられ、イスラエルのネタニヤフ首相も26日、「1日10人の人質解放は歓迎だ」として、休戦延長に前向きな姿勢を示した。  一方、ハマスは26日、イスラエル軍がほぼ制圧しているとされるガザの最大都市、ガザ市で多くの戦闘員が監視する中、人質を赤十字国際委員会(ICRC)に引き渡す動画を公開した。人質はガザ市周辺で拘束されていた可能性があり、動画はハマスが地下トンネルを中心にガザ市で戦闘力を維持していることを示す狙いがあるとみられる。  イスラエルとハマスは25日、休戦合意の解釈を巡って対立。ハマスは人道支援物資のガザ北部への搬入が少ないことや、長期受刑者の釈放の順番が遅いことが「合意違反」だとしてイスラエルを批判した。一方、イスラエルはハマスが人質の親子を切り離し、子どもだけを解放したとしてハマスを非難し、人質の解放が深夜にずれ込んだ。26日の解放はスムーズだったが、今後、休戦延長を巡って双方の条件闘争が行われる可能性がある。  こうした中、イスラエル政府は26日、200台の人道支援物資を積んだトラックが、エジプトから検問所を通ってガザに入ったと発表した。避難者向けのテントや毛布などを多数積んでいるという。また、そのうち数十台は物資の欠乏が著しいガザ北部に入ったとしている。

【エルサレム三木幸治】

 

 

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