米新型ステルス爆撃機「B21レイダー」が初試験飛行 1機1100億円超

 

Forbes JAPAN

米カリフォルニア州パームデールで2022年12月2日に一般公開された米軍の新型ステルス戦略爆撃機「B21レイダー」(U.S. Air Force photo via Wikimedia)

 

 

米空軍の最新鋭ステルス戦略爆撃機「B21レイダー」が10日午前、カリフォルニア州で待望の試験飛行を行い、米国民に初めてその姿を披露した。メディア各社が報じた。

 

 

 米防衛大手ノースロップ・グラマンが製造するB21は、

米軍が30年以上ぶりに新開発した爆撃機。

 

 

核兵器も搭載可能で、

米空軍では今後の爆撃機開発の「基幹」と位置づけている。

 

機体価格は、

1機およそ7億5000万ドル(約1140億円)になる見通し。 

 

 

 

 

ロイター通信によると、

 

B21は通常兵器と核兵器の両方を搭載でき、

空中給油能力や

他機とのネットワーク接続能力を有する。

 

高いステルス性を備えた表面素材は、

現行のB2爆撃機に使われているものよりメンテナンスが容易だという。 

 

空軍は100機を調達する予定で、

無人機としての運用も視野に入れている。

 

現行のB1、B2爆撃機との入れ替えを進め、

ボーイングのB52戦略爆撃機と組み合わせて運用する計画だ。 

 

B21レイダーの開発は大部分が秘密に包まれており、

正確な機体価格は公表されていない。

 

 

 

ロイターの報道では、

1機あたり約7億5000万ドルと予想されている。

 

これが事実なら、

F35戦闘機や

F22戦闘機ラプターを上回り、

 

これまで実践配備された米軍機の中でも最高額の部類に入る。

 

 

 ロッキード・マーチンのF35統合打撃戦闘機は、

米国史上最も高価な兵器システムだ。

 

 

米国会計検査院(GAO)の報告に基づけば、

機体価格は推定1億5000万~2億ドル(約230億~300億円)で、

 

調達から維持までを含めた運用プログラム全体にかかる費用は1兆7000億ドル(約260兆円)にもなる。 

 

なお、同じくロッキード・マーティンの

戦術戦闘機F22ラプターの価格は1機あたり1億2500万ドル(約190億円)、

 

 

エアバスのユーロファイター・タイフーンは

約1億2000万ドル(約180億円)とみられ、

 

 

ボーイングの攻撃戦闘機F15EXは約8000万ドル(約120億円)と推計されている。

 

 

 2024年度の空軍の予算請求額は2151億ドル(約33兆円)で、

 

今年度比4.5%、

価格にして93億ドル(約1兆4000億円)増加した。

 

 

 空軍は2015年、

B21の技術・製造開発契約先にノースロップ・グラマンを選定。

 

同社はボーイングやロッキード・マーチンなど競合他社を抑えて受注を獲得した。

 

 

 

2019年にサウスダコタ州、ミズーリ州、テキサス州の空軍基地が

B21運用の優先拠点に選ばれ、

2022年12月に機体が公開された。 

 

 

 

レイダーの名称は、

第2次世界大戦中の1942年に米軍が日本本土を初めて空襲した爆撃機部隊「ドーリットル・レイダーズ」にちなむ。

 

 

米空軍はこの作戦について

「日本は本土防衛のため戦闘部隊を呼び戻さざるを得なくなり、米国民と米同盟国の士気は高まった」と評価している。

 

21という数字は、21世紀最初の新型爆撃機であることを意味している。

Mary Whitfill Roeloffs

 

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