トコジラミ・パニック」フランスで社会問題に 被害は日本でも…害虫駆除業者に密着(2023年10月10日
フランスで人の血を吸い、強烈なかゆみを引き起こすトコジラミが大発生していて、社会問題になっている。 ■小さな虫が…フランスを揺るがす トコジラミ駆除業者:「少なくとも12匹います。ちょっとつつくと…小さいのもいますね」 フランスで今、社会問題になっているのが「ナンキンムシ」とも呼ばれる害虫「トコジラミ」だ。 実はシラミではなくカメムシの一種で、体長5ミリから8ミリほど。昼はベッドやソファーなどに隠れていて、夜は人にかみつき、血を吸う。かまれると強いかゆみに襲われ、それが原因で不眠症などを引き起こすこともあるという。 フランス高速鉄道の座席をうろつく、トコジラミの映像がSNSに投稿された。このほか、地下鉄や映画館でも「トコジラミを見た」という情報が相次ぎ、一部では「トコジラミ・パニック」と報じられた。 ついには、3日のフランス国民議会でも、次のようなやり取りがあった。 マチルド・パノ議員:「パニックが国を襲っています。トコジラミが国民の睡眠を奪い、疲弊させています。これは国の公衆衛生問題ですが、首相は何もしていません」 フランス ボルヌ首相:「トコジラミの侵入は住民にとって地獄になる可能性があり、駆除には相当なお金がかかります。この問題で分断が生じてはなりません」 体長1センチにも満たない小さな虫が、オリンピックを9カ月後に控えたフランスを揺るがしている。 ■パリ五輪まで9カ月…フランスの課題 フランス食品環境労働衛生安全庁によると、2017年から2022年にかけて10世帯に1世帯以上が、トコジラミの被害に遭ったという。 また、学校でも被害は確認されているそうだ。6日、アタル国民教育相は17校でトコジラミが見つかり、7校が駆除のため休校となったことを明らかにしたとAFP通信が報じている。 増加の要因について、イギリス・BBCは、コンテナを使った貿易や、観光・移民の増加などのグローバル化、戦後の有機塩素系殺虫剤(DDT)の普及により、一度は個体数を大きく減らしたものの、これらから生き延びた抵抗力の強い個体が繁殖しているなどを挙げている。 ただ、これらの要因であれば、フランスだけの問題ではないことになる。フランスが特に問題としているのには、理由がある。それが、来年7月に控えたパリオリンピックだ。 BBCによると、国内外から集まる数百万人の観客らの健康と安全に関する疑問が浮上しているという。 デイリー・エクスプレスは、現在フランスで行われているラグビーのワールドカップで観客がホテルでトコジラミによる被害に遭うなどしていたため、ホテルを変えざるを得ない状況になったと報じている。 また、フランスメディアによると、マクロン大統領の与党は「最優先課題」として、12月までに新たな法案を提出すると3日に表明したという。 ■専用殺虫剤でも…駆除難しいトコジラミ トコジラミ被害に遭った男性:「(Q.トコジラミを見つけた時、どう思いましたか?)終わったなと思いました。もうこの家、住めないんじゃないかな」 神奈川県のマンションに住む30代の男性が自宅でトコジラミを見つけたのは、1年ほど前だったという。一見、ただのカーペットのように見えるが、指でたたくとカーペットの生地の奥に潜んでいる様子が捉えられていた。 男性:「普段ソファーで仕事終わった後、帰ってきて、何かかゆいな~っと思って、最初はダニかなとか思ってたんですけど」 しかし、肌の露出している部分だけが刺されていたことに違和感を覚え、インターネットで調べたところ、トコジラミの特徴であることが分かったという。 男性:「(トコジラミと)分かってからは玄関で寝たりとか、なるべく家に帰らないようにとか、家を避けていました」 9日、男性の自宅に駆け付けたのは、神奈川県を中心に害虫駆除を請け負う「TAXEL」。これまでに2000件以上の駆除を行ってきた。すぐさま、部屋の中に残る痕跡をいくつも発見した。
TAXEL 清野涼平氏:「これが抜け殻ですね。この辺の黒いのが血糞(けっぷん)です」 トコジラミが動物の血を吸った後に残す黒い染み「血糞」。これが生息しているサインだ。トコジラミは一般の殺虫剤では効果がない場合があり、業者が使う専用の殺虫剤でも卵の状態では駆除できないという。
そのため、1回の薬剤散布だけではなく、残った卵がかえるタイミングを見計らって、2度目の散布をする必要があるという。
清野氏:「(Q.殺虫剤は市販品と何が違う?)マイクロカプセルという小さいカプセルが入った薬剤。これに触れることによって、トコジラミを駆除していく」
駆除費用は、この業者の場合、
1部屋6万円から駆除依頼を受けていて、
今回のお宅は2LDKのため、しめて19万8000円となった。
■トコジラミの痕跡 見つけた場合は…?
トコジラミは私たちの身近に忍び寄っているようだ。 トコジラミの被害は急激に増えていて、東京都におけるトコジラミ相談件数は2005年は26件だったのに対し、去年は405件と15倍以上になっている。 では、トコジラミは家の中のどのような場所に生息しているのか。 ポイントは「暗くて温かい場所」だ。例としては、ベッドの隙間や裏、マットレスの中、ソファーの隙間、カーペットの下、家具と壁の間、額縁の裏などが挙げられている。 こうした場所にトコジラミの痕跡を見つけた場合、被害の拡大を防ぐために早急に駆除する必要がある。しかし、一般的な殺虫剤は効果がない場合があり、くん煙殺虫剤などは煙の届かない場所へ逃げて、かえって生息範囲が広がってしまうこともあるという。 そのため、家庭での駆除は困難であるため、早急に専門業者に駆除を依頼することが推奨されている。 (「大下容子ワイド!スクランブル」2023年10月10日放送分より) [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
ANNnewsCH
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緊急トコジラミ動画】パリにはトコジラミがウジャウジャ?毎日の生活は?対応策は?虫の映像はありません!

Ryoko Paris Guide
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パリの交通機関でトコジラミ「蔓延」、仏政府が対応表明
クレマン・ボーヌ運輸相は、国民を守り、安心させるため、週内に会議を開いてさらなる対策を講じると表明した。
パリの地下鉄を運行するパリ交通公団(RATP)は、トコジラミを目撃したという情報が伝えられたことを受け、警戒を続けているが、ここ数日は目撃されていないとしている。
RATPは2日、
CNNの取材に対し、
目撃情報があるたびに対応しているとした上で、
ここ数日は地下鉄内でトコジラミが確認されたケースはないと説明した。
9月27日に寄せられた報告については、調査した結果、「車内でトコジラミの存在は記録されなかった」としている。
高速鉄道ユーロスターなどを運行するフランス国鉄(SNCF)は
「害虫の報告を非常に真剣に受け止めている」としながらも、これまでのところトコジラミの存在は確認しておらず、証明された報告もないと説明した。
パリでは公共交通機関や映画館などで
トコジラミを見たとする動画が相次いでSNSに投稿され、パリ市や労働組合から政府に対応を求める声が強まった。
パリのエマニュエル・グレゴワール副市長は
9月29日、
フランスのテレビ局LCIの取材に対し、
この現象が「蔓延している」と述べ、
「安全な人は誰もいない。明らかにリスク要因がある。トコジラミはどこででもうつってしまい、自宅に持ち込んでしまう可能性がある」と危機感を募らせた。
パリは2024年にオリンピックの開催を控える。
しかしグレゴワール副市長は「オリンピックが脅かされることはない」と述べ、
「トコジラミは以前から存在していて、以後も存在し続ける」と指摘。
オリンピックはこの問題に力を合わせて取り組む好機になると強調した