”あっぱれ!”
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20以上の線路またぐ道路橋、国内最大級の1600t吊りクレーンで架設
品川駅構内環状4号交差部(東京都)
森下 慎一
日経クロステック/日経コンストラクション
環状4号の工事で、JR品川駅構内の20以上の線路をまたぐ橋梁を構築する。都心部では珍しい国内最大級の1600t吊りクローラークレーンを採用。架設ブロックの大型化で夜間の線路閉鎖の回数を減らし、安全性と施工性を向上させた。
JR品川駅構内で終電後の午前1時30分過ぎ、超大型の1600t吊りクローラークレーンが長さ120mのブームをゆっくりと旋回し始めた。あらかじめ吊り上げた橋脚のブロックを、複数の線路をまたいで100m以上離れた施工箇所に設置。ブロックを据え付け、午前3時前にブームを元の位置に戻した。
P6橋脚のブロックを運ぶ1600t吊りクローラークレーンのタイムラプス動画(動画:大上 祐史)
P6橋脚のブロックを運ぶ1600t吊りクローラークレーン。主ブームは長さ120mだ(写真:大上 祐史)
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P6橋脚の施工箇所。線路の間にある狭い敷地だ。クレーンからは約104m離れている(写真:大上 祐史)
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クレーンで運んだP6橋脚のブロックを据え付ける様子(写真:大上 祐史)
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延長約30kmの都市計画道路である環状4号の延伸工事の現場だ。未開通の白金台─港南間の約2.1kmのうち、国道15号(第一京浜)と海側の旧海岸通りを結ぶ約700mの延伸部に、品川駅上空を通過する道路橋を構築する。
線路横断部を中心とする延長310mの範囲については、JR東日本が東京都から委託を受けて整備している。橋脚8基(P3―P10)を構築した上に、鋼床版連続箱桁を架ける。施工者は鹿島。工期は2021年3月から28年3月までの予定だ。
現場は、山手線や京浜東北線、電車車両基地など20以上の線路をまたぐ。線路直上部を含むP7─P10間の桁はクレーンで、線路敷地上空にある残りのP4─P7間の桁は送り出してそれぞれ架設。線路間のP6とP7の橋脚も複数のブロックに分割し、クレーンで据え付ける計画だ。
道路橋を架設する現場は20以上の線路をまたぐ。P6橋脚は1600吊りクレーンから約104mの距離(写真:JR東日本)
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P7─P10間の桁はクレーンで架設した(写真:日経クロステック)
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線路直上部となるP7─P8間の鋼桁や線路間の橋脚のクレーン架設は、列車を進入させない「線路閉鎖」やき電停止の手続きが必要になる。ターミナル駅のため、終電は遅く始発は早い。実際の作業時間は90分程度だ。作業は常に翌朝の列車運行支障のリスクが伴う。
この施工条件に対して鹿島が提案した工法が、冒頭の1600t吊りクレーンによる架設だ。地組みする鋼桁や橋脚のブロックを大きくすることで、線路閉鎖が必要な架設の回数を減らした
20以上の線路またぐ道路橋、国内最大級の1600t吊りクレーンで架設 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)