大成建設JVのトンネル工事打ち切りへ、地山から大量の有害物質
青野 昌行
日経クロステック/日経コンストラクション和歌山県は、建設中の国道168号「仮称2号トンネル」で残土から基準値を超える有害物質を想定以上に検出したため、いったん工事を打ち切る方針を固めた。当初契約で約70億円だった工事費が、このまま継続すると残土処理などを含めて約270億円に増大する。県が2023年11月1日に発表した。
国道168号「仮称2号トンネル」の相賀側坑口(写真:和歌山県)
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仮称2号トンネルは、落石などの恐れがある国道168号の代替路として同県新宮市の相賀―高田間に建設する。延長2658mで、幅員は8.5m。大成建設・尾花組・川合組JVが21年12月~26年2月の工期で施工していた。
仮称2号トンネルの位置図(出所:和歌山県)
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仮称2号トンネルの平面図と縦断図。掘削延長は2023年9月末時点(出所:和歌山県)
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相賀側からNATM工法で掘削していたところ、
残土から
22年12月にフッ素を、
23年9月にヒ素を
確認した。
フッ素については、
1リットル当たりの溶出量が土壌汚染対策法の基準値0.8mgに対し、
最大で3.1mg検出。
ヒ素は
0.01mgの基準値に対し、最大で0.05mg検出した。
23年11月3日までに380mを掘削。
残土2万3000m3に対して試験を230回実施し、
そのうち219回で基準値を上回った。
基準値を超えた残土は、
和歌山県御坊市にある民間の管理型処分場へ搬出した
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