私が経験してきた1か月弱は誰も経験すべきじゃない」ガザで人道支援、帰国した日本人が語る“戦争の愚かさ”【news23】

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戦闘が激化するパレスチナ自治区「ガザ」での死者が1万人を超えました。このガザで人道支援を続けてきた「国境なき医師団」の白根麻衣子さんが5日、帰国しました。ガザで何を見たのか、そして、何を感じたのか。直接、話を聞きました。

 

 

 

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■ガザの死者1万人超に

 イスラエル「人質解放なしに停戦ない」 イスラエルとイスラム組織ハマスの大規模衝突から7日で1か月。イスラエルによるガザへの攻撃は空から地上へと変わり、多くの命が奪われてきました。 “首のない遺体を運んだ”という男の子の叫びは言葉にならず… 男の子(4日) 「ここだよ、ここに立っていたら3台の戦車が砲撃したんだ」 5日、イスラエルの空軍基地を訪問したネタニヤフ首相は、停戦に応じない姿勢を改めて表明しました。 イスラエル ネタニヤフ首相 「人質の解放なくして停戦はありえない。代替案はない」 また、地元メディアに“核攻撃”について尋ねられたイスラエルの閣僚からは… エリヤフ エルサレム問題・遺産相 「それも選択肢のひとつだ」 「エリヤフ氏の発言は現実とかけ離れている」と、ネタニヤフ首相は発言の“火消し”に回りました。 

 

 

 

 

■帰国した日本人が語る“戦争の愚かさ” 

「経験してきた1か月弱は誰も経験すべきじゃない」 ガザで人道支援を続けてきた国境なき医師団の白根麻衣子さんが5日、帰国しました。 国境なき医師団 白根麻衣子さん 「自分たちのいた建物が揺れる。爆風を感じる。ガラスが割れる。そのときは『本当に生きて帰れるかな』って思いました」 戦争が始まってからガザで26日間過ごした白根さんが訴えたのは、戦争の愚かさでした。 白根さん 「私たちの祖父母世代が、何で戦争はやっちゃいけないんだよって伝えてきたのかっていう、本当の意味がこの3週間で分かった気がしました。若い世代が戦争って遠くて、自分とは関係ないことって思って欲しくないなって。私が経験してきた1か月弱は誰も経験すべきじゃないんですよ、本当に。どんな人であっても殺し合いをしていいなんて絶対思ってないはずだから。そのためなら何でもやるので」

 

 

 

 

■「ハマスを倒すまで戦いを続ける」

 遠のく「停戦」 小川彩佳キャスター: 白根さんが無事に帰って来られて本当によかったという思いがありますけれども、現地の状況に身を置いたからこそ、話に胸が詰まるものがありますね。 23ジャーナリスト 須賀川拓 記者: 白根さんご自身が感じたことってすごく強いなと思っていて、特に彼女は、通信の遮断には本当に恐怖を感じたと。人道支援の最前線にいた人にとって、情報が入ってこなくなることは、恐怖に感じるんだということですよね。 逆に、私たちメディアの立場から言えることがあって、当然情報が入ってこないっていうことは、我々も最新情報に触れることができないっていう大きな不安もありますけれども、特に今回の紛争に関して言えば、パレスチナ側からの情報であっても、やっぱりフェイクニュースがものすごく多いんです。もしくは、ちょっと拡大解釈されてしまったり、歪曲されたりしている情報がすごく多いので、情報を出すまでに時間がかかってしまう。 だからこそ、検証が必要なんですけれども、その情報が遮断されるとフェイクかどうかの検証ができない。結果的に報道できなくなってしまうということもあるので、我々としてもそういった懸念はすごくあるなというふうに感じました。 小川キャスター: 情報をお伝えする私たちとしても非常に難しい局面を迎えているわけですけれども、一方で、やはり求められるのは停戦という中で、ガザ保健当局によりますと、先ほどガザ地区の死者数が1万人を超えたということです。 ただ、イスラエルのネタニヤフ首相は「ハマスを倒すまで戦いを続ける」と話しています。ますます停戦が遠のいているという状況ですね。 宇宙飛行士 野口聡一 氏: 悲惨な状況ですね。今の戦争っていうのは、ハイブリッドな、つまり物理的な戦いだけではなく、情報戦をいかに構成していくかというのがすごく大事なんですけれども、例えばウクライナでは最初にロシアが通信遮断を行って、それに対してウクライナ側のスターリンクという、空から降ってくる回線を使って反撃したみたいなことがあります。 やはり、通信を抑えるっていうことが経済安全保障の要になっていると。同じように我々も現地からの悲惨な映像に目を背けず、しっかり何が起きているのかっていうのを見ていきたいなと思います

 

 

 

 

 

TBSスペシャルコメンテーター 星浩 氏: イスラエルの状況を考えると、ネタニヤフ首相は右派なんですけれども、彼でさえ穏健派と言われてるぐらい全体が極右勢力にシフトしているます。一方、ハマスもヒズボラも基本的にはイスラエルというのを認めない立場ですので、相当この両者には隔たりがあるわけで、よく「仲介」とか「調停」とか言いますが、そう簡単じゃないっていう状況です。 一方で、イスラエルでは和平に動き出したラビー首相のような人が暗殺されるという歴史が続いてきているわけで、そういう意味では7日からG7の外相会談がありますが、日本も国際社会でその仲介を目指すのであれば、本当に腰を据えて、腹を据えてやる覚悟が必要になってくると思います。

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