三菱重工が水素発電向けポンプ開発へ、先行する荏原をどう追い上げるか
三菱重工業は水素発電向けに、液体水素を昇圧するポンプの開発に乗り出す。水素発電向けでは主要機器のガスタービンも開発しており、関連機器のポンプも開発して幅広く製品を展開する。液体水素昇圧ポンプとしては、実証中の水素ステーション向けに続く開発となる。具体的な時期は未定だが、2030年代の市場投入を目指す。
液体水素昇圧ポンプは液体水素の圧力を高め、気化した水素を供給しやすくする役割がある。 海外から液体水素を受け入れて貯蔵タンクに保管した後、液体水素昇圧ポンプで数メガパスカル(メガは100万)まで圧力を高める用途を想定する。発電に必要な大容量の水素を供給しやすい構造にする。 三菱重工は主力製品のガスタービンで世界シェア首位。天然ガスへの水素混焼、水素のみの専焼に対応した製品を開発中。得意の出力45万キロワット級の大型製品は、30年以降の専焼の商用化を目指している。 水素ステーション向け液体水素昇圧ポンプは、燃料電池車(FCV)に水素を充填するため、液体水素の圧力を90メガパスカル程度に高める用途の製品。米国で目標1000時間の長期耐久実証中で、24年に客先に納入する計画。 水素発電向け液体水素昇圧ポンプをめぐっては、ポンプ大手の荏原が世界で初めて開発に成功して先行する。一方、三菱重工は元々、原子力発電所や火力発電所向けポンプを手がけ、新規分野として液体水素向けを開発している。 発電向けで培った安定性や信頼性、関連の知見を武器に追い上げる狙い
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