イランがイスラエルに警告、ガザ攻撃続ければ中東は「制御不能に」 ネタニヤフ首相は部隊を視察

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イランがイスラエルに警告、ガザ攻撃続ければ中東は「制御不能に」 ネタニヤフ首相は部隊を視察

 

 

 

 

 

イランのホセイン・アミル・アブドラヒアン外相は22日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を停止しなければ、中東地域が「制御不能」に陥るおそれがあると警鐘を鳴らした。 イスラエルは、7日にガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによる奇襲を受けて以降、同地区への報復空爆を続けている。 イランのアブドラヒアン外相は、イスラエルに警告を発するとともに、軍事支援を行っているアメリカにも「責任がある」と述べた。 アブドラヒアン氏は首都テヘランでの記者会見で、「アメリカとその代理国であるイスラエルが、ガザ地区での人道に対する犯罪行為とジェノサイド(集団虐殺)を即座に停止しなければ、いつ何が起きてもおかしくなく、この地域が制御不能に陥るだろうということを、警告しておく」と述べた。 そして、こうした攻撃の結果は地域にとっても、戦闘を擁護する者にとっても「深刻で悲惨な」ものとなり、「広範囲に及ぶ影響」をもたらす可能性があるとした。 さらに、イスラエルに対するアメリカの軍事支援は、ガザ地区で続く紛争が「アメリカに代わってイスラエルが行っている代理戦争」であることの証拠だと付け加えた。 この数時間後、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は部隊に対し、国民は命を懸けて戦いに身を投じているとし、ハマスとの戦いは「やるか、やられるか」だと述べた。 イランはハマスと、レバノンの武装勢力ヒズボラを支援している。 ハマスの攻撃によるイスラエル側の死者は1400人を超える。一方、ガザ地区の保健当局は、この2週間で4600人以上のパレスチナ人が同地区で死亡したとしている。 イスラエル軍は21日、同日夜からガザ地区への攻撃を強化すると発表した。

 

 

 

 

 

 ■米高官、紛争拡大に警鐘 米政府高官もまた、紛争が拡大する可能性があると警鐘を鳴らしている。 ロイド・オースティン米国防長官は、米軍や米国民に対する「攻撃が著しくエスカレートする」可能性があるとしている。 「もしどこかの集団あるいは国が、この紛争を拡大させ、この非常に不幸な状況を利用しようとしているのなら(中略)『やめておけ』と我々は忠告しておく」と、米ABCの番組「This Week」で語った。 アントニー・ブリンケン国務長官も、ヒズボラやハマスのようなイランの代理勢力による「エスカレーションの可能性」に言及。アメリカはイスラエル人と米国民を「確実に守るためにあらゆる手段を講じている」とした。 アメリカ主導の連合軍が使用するイラクのいくつかの基地はここ数日、ドローンやロケット攻撃の標的になっている。 

 

 

 

 

 

■ネタニヤフ氏、ヒズボラに警告 こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は22日、同国北部のレバノン国境付近に展開する部隊を訪問した。ハマスとの戦闘が始まった当初から、イスラエルはヒズボラとも国境をはさんで交戦している。 ネタニヤフ氏は、「我々は命を懸けた戦いに身を投じている。国のために。これはおおげさな表現ではない。これが戦闘というものだ。やるか、やられるかだ。彼ら(ハマス)には死んでもらう」と述べた。 また、ヒズボラに対し、この戦闘に加わらないよう警告した。 「(ヒズボラ)は人生最大の過ちを犯すことになる。そして、我々は想像を絶する力で彼らを攻撃するだろう。ヒズボラにとってもレバノンにとっても壊滅的な打撃を与えることになる」 一方でヒズボラは、「イスラエルと戦うための準備は完了している」と宣言している。 レバノン南部では、イスラエルとヒズボラとの交戦で少なくとも27人の死亡が報告されている。イスラエル軍は、少なくとも5人のイスラエル兵と民間人1人が死亡したとしている。 イスラエルは、レバノン国境に近い多数の地域の住民に避難命令を出している。 隣国シリアでは22日朝、ダマスカスとアレッポの国際空港でイスラエル軍のミサイル攻撃があり、少なくとも2人が死亡した。いずれの空港も、滑走路が損傷を受けて使用できなくなっている。イランはシリアで軍事的プレゼンスを維持している。 (英語記事 Iran warns Israel to stop or region will 'go out of control')

(c) BBC News

 

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