国際法違反という指摘も多い
西側諸国は「イスラエルによるガザ包囲」をロシアと同レベルで批判すべきだ
アルジャジーラ(カタール)ほか
Text by COURRiER Japon
深まるガザ地区の人道危機
イスラエルは10月9日、同国への攻撃を仕掛けたハマスへの報復として、ハマスが支配下に置くパレスチナのガザ地区を「完全包囲」すると表明した。イスラエルのヨアヴ・ガラント国防相は、ガザ地区に「電気、食料、水、燃料」がもたらされなくなると明言し、住民約230万人の生命が脅かされる事態となっている。
米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、ガザ地区は攻撃前からイスラエルに生活のインフラを握られ、制限されている状態だった。同地区の物資はほとんどイスラエルからもたらされていた。電気も大半はイスラエルの送電網から送られており、同地区で唯一の発電所の燃料もイスラエルからのものだった。それらは住民全員が満足に使用するには不充分で、1日に12〜15時間しか電気を使えない日も多かったという。
もともと不足していた物資、電気、薬などが、いまはイスラエルによって完全に止められている。もう1つの隣国エジプトからの搬入はあるが、不足している分の埋め合わせにはならないという。特に病院は悲惨な状況で、病人や攻撃による怪我人の治療がほぼ不可能になっている
米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、ガザ地区は攻撃前からイスラエルに生活のインフラを握られ、制限されている状態だった。同地区の物資はほとんどイスラエルからもたらされていた。電気も大半はイスラエルの送電網から送られており、同地区で唯一の発電所の燃料もイスラエルからのものだった。それらは住民全員が満足に使用するには不充分で、1日に12〜15時間しか電気を使えない日も多かったという。
もともと不足していた物資、電気、薬などが、いまはイスラエルによって完全に止められている。もう1つの隣国エジプトからの搬入はあるが、不足している分の埋め合わせにはならないという。特に病院は悲惨な状況で、病人や攻撃による怪我人の治療がほぼ不可能になっている
また、イスラエルによる無差別な「報復」空爆により、ガザ地区での死者が1500人以上に達したとパレスチナ保健省は発表した。そのなかの半分ほどが女性と子供だという。負傷者は6600人以上だと発表されている。
民間人の被害は正当なのか
ハマスの奇襲攻撃に対する報復とされるこの包囲と攻撃だが、その方法や規模の正当性は問われなければならない。支援団体や人権団体、国際機関は、イスラエルによる「完全包囲」と「無差別攻撃」は国際法で禁じられている「集団的懲罰」だと主張する。アントニオ・グテーレス国連事務総長は「燃料、食糧、水など、命を救うために不可欠な物資はガザに搬入されなければならない」とX(旧Twitter)で訴えた。