倍返し、どころか、10~20倍、で、復讐するでしょう!
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イスラエルは10倍、20倍返ししてくる」イスラエル・ハマスの戦闘 今後のシナリオは【news23】
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イスラム組織ハマスとイスラエルの大規模衝突、今後どのような展開が考えられるのか?
■「これは総力戦だ」長期化する懸念
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藤森祥平キャスター: まずは今回、どんな動きが見られたのか。大規模な衝突が起きたガザ地区は、イスラエルと長きに渡り対立を続けているパレスチナ自治区のうちの1つ。ここを実効支配しているのが、イスラム組織ハマスです。 7日、ハマス側が大規模攻撃を仕掛け、イスラエル側が報復しました。 ガザ地区の周りには、高さ10mのフェンスがあります。これはイスラエル側が、ガザ地区からの人や物の流入を防ぐために封鎖しているものです。 その壁を破壊し、パラグライダーなどを使って、戦闘員約1000人がなだれ込んで攻撃を仕掛けてきた。そして、ロケット砲弾、約3000発が突如、一斉に打ち込まれ、死者が多数出ました。 イスラエル側も報復に出て、合わせて1200人を超える犠牲者が出ているというのが現状です。 永井陽右(テロ・紛争解決スペシャリスト): ハマス側からの、かつてない大規模攻撃。民間人を含めて、多くの人々を人質にとっていく、誘拐していくという作戦。ハマス自身が今回は、ヒットアンドアウェイではなくて、総力戦だと、グローバルのメディアに説明している。そういうことから、彼らの強い決意というものを感じます。 小川彩佳キャスター: 総力戦だという今回の大規模攻撃、なぜこのタイミングで行われたのでしょうか? 黒井文太郎(軍事ジャーナリスト): 政治的に言えば、イスラエルとサウジアラビアが接近しているので、自分たちは見捨てられるのではということ。あとは、2023年7月に、ガザ地区の中でハマスに対する非難デモがあった。これは、ガザ地区の中で、ハマスの力はものすごく強いので、珍しいことで、危機感があった。いろいろな意味で追い詰められていた。 ただ、壁を越えたのは初めてですが、攻撃自体は、前からやっている。ロケット砲の戦力や、移動するトンネルなどができたら、過去にもやってきている。前回に行われた戦いから大体2年が経っているが、その間に、数千発のロケット砲や、トンネルを掘るみたいな準備が整ったから、やってきたという面もあります
小川キャスター: ただ、壁を越えてきたということは衝撃的。イスラエル側に深く入り込んできた、奇襲とも言えるような、3000発にも及ぶロケット弾攻撃。こうしたことがなぜできたのか? 黒井文太郎(軍事ジャーナリスト): イスラエルの中で議論が始まっているが、イスラエルの情報機関は察知できなかったようだ。察知できていれば、対処できるような規模だった。規模としては大きくないのに、奇襲が成功してしまった。 イスラエルは、狭いガザ地区の中で、ハマスを監視する体制をしっかり作っている。通信傍受とか、ドローンを飛ばしたりとか、いろいろなことをやるが、なぜ察知できなかったかというのは、まだわからない。よほどハマスが擬装をうまくやったんだろうなと。 察知できないというのは、異例ではないが、これだけの規模のものはなかなかなかった。ロケット砲を運ぶなどの準備を察知できなかった。 小川キャスター: 今回、人質が取られている。民間人の犠牲も増えている。 永井陽右(テロ・紛争解決スペシャリスト): 間違いなく、一線を越えている。超え過ぎている。これでは、賛同を得ていくことは難しくなってくる。実際、欧米諸国、特にヨーロッパの諸国を見ていても、いつもはイスラエルとも距離感を保ち、接していた方々であっても、今回ばかりは、さすがにイスラエルの方々に連帯を示している。 そして、人質を取られているので、どうしても長期化していく。紛争解決、事態の収束は長期化するが、いま起きている人道人権の問題は待ったなしです。 長期的な問題と、短期的な人道人権の問題というのは切り離して、短期の問題は、いますぐ迅速に対応していかないと、もっと多くの犠牲者が出ると思います。
■イスラエル側は“10倍返し20倍返し”してくる
藤森キャスター: 大規模衝突が、世界的にどんな影響を与えているのか。 アメリカのブリンケン国務長官はすでに、今回のハマスの攻撃について、イスラエルとサウジアラビアの国交正常化交渉を妨害する狙いがあった可能性について指摘しています
サウジアラビアという言葉が出てきたが、ガザ地区を実効支配しているハマスと、イスラエルには、それぞれの後ろ盾がいる。ハマス側は、アラブ諸国とイラン。一方、イスラエルの後ろ盾は、アメリカなど欧米諸国です。 こうした中で、ハマス、パレスチナの後ろ盾になっているアラブ諸国の大国サウジアラビアが、イスラエルとの国交正常化に向けて交渉を急加速させている。これに対して、ハマス側は刺激を受けているというか、このままではいけないという動きがあって、今回の武力攻撃につながったのではないかという見方がある。 小川キャスター: 背景には、アメリカとイランの対立があって、もっと引いた目で見ると、中国やロシアなども絡んでくるわけですけれども、今後の展開としてはどのようなことが考えられる? 黒井文太郎(軍事ジャーナリスト): イスラエル側は、ハマスを放置すれば、同じようなことが起こるだろうということで報復をする。いまのところは、ハマス側のやり過ぎの部分が、ニュースになっていますが、今後は、イスラエルは10倍返し20倍返ししてくる。残念ながら、民間の被害がものすごく出ると思います。 そうするとまた、いろいろな国際社会の動向も変わってきますので、しばらく長引く。しかも、ちょっとやって終わりではなくて、地上部隊が入っていって、ガザ地区をある程度、掌握していくということをやるとなると、相当長期化することになる。 小川キャスター: エスカレートしていく中で、エルサレムなどに拡大していくことはある? 黒井文太郎(軍事ジャーナリスト): おそらく西岸地区にも飛び火しますし、これから長期化して、さらに大変な事態になっていく。 イランがどこまで支援、関与していたのかということも、これから焦点になってくる。今回の奇襲作戦に、イランが直接関与してるかどうかについては、まだ証拠が出ていないので、わからない。イランが関与したという情報が出てくれば、一気に、イラン対イスラエル・アメリカという緊迫した局面が予想されます
小川キャスター: 今後、解決には、どのように向かっていけるのか? 永井陽右(テロ・紛争解決スペシャリスト): 答えはありません。これだけ長い歴史の中で続いてきた紛争、対立です。紛争解決の仕事をしている中で思うのは、宗教だとか、民族だとかいうものは、扇動に使われてしまう。宗教戦争だとか、民族紛争だとか言うが、実は、つぶさに見てみると、それ以外の要素というものが非常に多い。 だからこそ、まずは、一人ひとりが、憎しみの連鎖を助長しないという意識を持つこと。なかなか遠い道のりです。だからこそ、常に、憎しみの連鎖を、どうほどいていけるのか、そんな視座から見つめていく、何ができるか考えていく。そうしたことが、いま求められてると思います。
■現地取材、イスラエルにいる須賀川記者は…
須賀川拓記者: いまも空爆の音が聞こえています。 ここにあるのは、ベランダの枠です。非常に重く、数十キロぐらいあると思います。 これが、どこから飛んできたかというと、ロケット弾が着弾した向こうののビルから飛んできた。ロケット弾1発の威力がどれほどのものなのかわかります。 一方、黒井さんがおっしゃったように、イスラエルは10倍返し20倍返しする。我々の後ろで聞こえているガザ地区への空爆の音というのは、これの数十倍、数百倍もある、いわゆる精密誘導弾が次々と落とされている音。その爆弾2発ぐらいで、建物をなぎ倒すことができてしまう。それぐらいの威力の空爆が、ガザ地区では行われている。 そこには当然、この喧噪とは全く関係ない人たちがいる。ここに住んでいる人たちも戦争とは全く関係がない。双方において、この戦争とは全く関係ない市民が犠牲になっている。これを、私たちは常に頭の中に入れておかなければいけないと思います。
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