欠陥工事で裁判に、リフォームの修羅場3選
谷川 博
日経クロステック
住宅のリフォームを巡るトラブルが絶えません。リフォーム後の不具合に加え、訪問販売など契約上の問題も顕在化。住まい手とつくり手が激しく対立し、法廷闘争に発展する例もあります。今回は、そうした「リフォームの修羅場」を取り上げます。
紹介する記事3本は、2023年9月27日~10月3日に無料で読めるようにしました。
(写真:胡桃設計)
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1本目は、床の傾きを巡るトラブル。「せっかくリフォームしたのに、床が傾いた」。居住者の苦情に、工事会社は「リフォーム前から傾いていた」と反論。納得できない居住者は、工事会社を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こしました。
居住者側に協力した建築士によると、傾きが最も大きかったのは2階トイレ付近。その下を通る梁(はり)が最大約2センチたわんでいました。工事会社が必要な柱を設置していませんでした。半面、リフォーム前から傾いていた箇所もありました。
事例1 リフォームのせいで床が傾いた
2本目は、雨漏りを巡るトラブル。中古住宅に住む居住者は、購入直後から雨漏りに悩まされました。リフォーム工事会社が約4カ月かけて修理しましたが、雨漏りは一向に収まりません。怒った居住者は工事会社に損賠倍書を求めて提訴しました。
居住者側の弁護士によると、補修前の開口部の納まりに問題がありました。例えば、サッシと外壁の接合部にシーリング材を補填せず、防水テープの止水機能だけに頼る形にしていました。リフォーム工事会社はその問題を放置していたのです。
事例2 雨漏り修理の失敗の責任を追及
3本目は、訪問販売を巡るトラブル。居住者は、塗装工事会社の訪問販売を受け、外壁などの塗装契約を結びました。しかし施工中、工事会社が使用期限切れの塗料や居住者の指定と異なる色の塗料を使っていたことが発覚しました。
居住者は工事会社に契約撤回を要求。契約後3カ月以上たった時点で、「クーリングオフ」を行使する意思を示しました。すると、工事会社は居住者に工事代金の支払いを求めて提訴。居住者は支払い済みの工事代金の返還を求めて反訴しました。
クーリングオフとは、特定商取引に関する法律で定める消費者救済制度。訪問販売では、契約を交わして8日以内であれば、消費者が無条件で契約を解除できます。この訴訟の判決では、契約後3カ月以上過ぎた時点のクーリングオフを認めました
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