建設費320億円を見込む2027年花博、国交省の基本方針を読み解く

小山 航

 

日経クロステック/日経アーキテクチュア

 

 

 

国土交通省は2023年8月31日、27年に横浜市で開催される国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027、以下、花博)の準備と運営に関する基本方針を発表した。政府は実施主体である2027年国際園芸博覧会協会や横浜市をはじめとした関係機関と連携しながら、花博の準備を進める。基本方針の内容と、会場建設の方向性を読み解く。

花博に関する政府の「基本的な考え方」(出所:国土交通省)

花博に関する政府の「基本的な考え方」(出所:国土交通省)

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 27年開催の横浜花博のテーマは、「幸せを創る明日の風景」。政府は花博の開催を通じて、SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献やスマート農業をはじめとしたサイバー空間とフィジカル空間が融合する「Society5.0」の展開、グリーンインフラの実装、花き園芸産業・造園業などの活性化、観光振興などに取り組む。

 会場の整備に当たっては木材利用に注力し、スギなどの国産材やCLT(直交集成板)の活用を検討する。予想される交通アクセスの集中に対しては、交通機能強化だけでなく、シャトルバスの運用で交通総量を抑えるなどの対策を講じる。

 イベントの広報・プロモーションについては、過去に開催された園芸博覧会の実績を踏まえ、70程度の国や国際機関に参加を働きかける。

基本方針で示した、花博の円滑な準備と運営のためのメニュー(出所:国土交通省)

基本方針で示した、花博の円滑な準備と運営のためのメニュー(出所:国土交通省)

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 国交省都市局参事官(国際園芸博覧会担当)付の下出大介企画専門官は、「園芸だけでなく、自然環境を意識した博覧会を目指す。自然との付き合い方を見直す機会になるようなイベントにしたい」と語る。

 花博は、園芸・造園の振興や地域・経済の創造などを目的に開催される国際イベントだ。国際園芸家協会(AIPH)が承認する。開催期間や開催地の最低面積などでクラスが区分され、横浜市で開催される花博は最上位のA1クラス。日本では1990年に大阪市で開催した「国際花と緑の博覧会」以来となる

 

 

 

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