大雨で再び決壊した堤防、原因は高速流による土のう崩壊
筒井 爽人日経クロステック/日経コンストラクション
静岡県磐田市の敷地川で2023年6月に起こった堤防の決壊は、河川の湾曲部で流れが速くなり、大型土のうが崩れたことが原因だと分かった。被災箇所は22年9月にも越水で決壊し、応急復旧として大型土のうを設置していた。今回の決壊後の応急復旧は7月に完了した。秋以降の非出水期に本復旧を予定している。決壊した箇所の応急復旧の様子。応急復旧は7月に完了した(写真:静岡県袋井土木事務所)
[画像のクリックで拡大表示]
決壊が生じた場所の航空写真(出所:VIRTUAL SHIZUOKA静岡県中・西部点群データの写真に日経クロステックが加筆)
[画像のクリックで拡大表示]
決壊箇所から7.7km下流にある水位計によると、決壊に至るまで2回の水位のピークがあった。1度目のピークは6月2日午前11時だ。同日午前7時ごろから水位が上昇し、湾曲部の外側で高速流が発生。堤防の川表側に積んでいた土のうの下段がバランスを崩して沈下した。
その後、浸水していた土のうが水位の低下に伴って動き、さらに沈下した。午後3時ごろから再び水位が上昇。午後4時に上段の土のうが崩壊し、堤防側面の浸食が始まった。午後5時20分ごろに越水し、水位が2度目のピークとなった午後6時ごろに決壊した。
決壊箇所から7.7km下流にある観測所の水位(出所:静岡県袋井土木事務所)
[画像のクリックで拡大表示]
堤防決壊のメカニズム(出所:静岡県袋井土木事務所